週末に行われた学生ハッカソン「CIVIC TECHで創ろう未来の生駒・奈良!!〜 Mashup Awards Hackathon with Students 関西編〜」のレポートになります。

今回のテーマは CIVIC TECHで創ろう未来の生駒!!

未来の生駒の姿をイメージし、ITの力を使い創り出していく事を目指します。

地域の課題をITの力を活用しながら解決する事で、または、未来の街の姿をイメージしながら、または、笑顔がたくさんあふれる、楽しい街をイメージしながら、様々な方法で生駒の街を少しだけ未来にするハッカソン。

ハッカソンでは、ユビキタスコンピューティングシステム研究室の研究テーマである、

1.スマートホーム

2.スマートライフ

3.スマートシティ

における「未来の生駒」をプロトタイピングする取組としました。

 

そして、MashupAwardsの予選もかねてのハッカソンなので、最優秀賞チーム(CIVICテック賞と学生賞)の2チームは、それぞれの部門賞決勝に進むこととなります。200万円まであと2つという近道を手に入れたチームはこちらです。

 

・CIVICTECH賞 作品名:おもカジ / チーム名:ものぐさ6

http://hacklog.jp/works/3472

 

・学生賞 作品名:いこにゃっぷ / チーム名:野良猫に癒やされ隊

hacklog.jp/works/3456

 

今回の審査は、こちらの基準をもとに、以下の方にお願いしました。

 

①テーマとの合致度 ②完成度 ③新規性

 

 

・小紫雅史/生駒市長

・柴田 重臣/Teorem LLC 代表、Code for Ibaraki

・荒川 豊/奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 准教授

・濱口 伸/株式会社毎日放送

 

それでは、今回のハッカソンで作られた作品を、最優秀作品から紹介していきたいと思います。

■発表作品

<シビックテック賞> ②作品名:おもカジ / チーム名:ものぐさ6

http://hacklog.jp/works/3472

ものぐさ主婦のために家事時間を短縮!センサやネットワーク情報を用いて家事のタイミングをお知らせ。

予定時刻に家事が完了していなければpepperがお尻を叩いてくれます。

 

 

 

Pepperでなければいけない理由は、人間にいわれると角が立ったりするけどロボットだと許される。

そして、インタラクティブに褒められることはロボットの良さだと思うとのこと。

先日の会津のハッカソンででた「Pepperは人間じゃないからいえることがある」っていう名言を思い出しました。

また、単一利用ではなく、複数の家に導入されれば、消費電力のピーク時を把握でき、ピークをずらした形で電力消費を促せるといった利用が考えられ、そうするとスマートシティっぽいですね。というコメントもありました。

 

こちらの作品はぐるなび賞Pepper賞も獲得しました。おめでとうございます。

 

 

 

 

<学生賞> ⑤作品名:いこにゃっぷ / 野良猫に癒され隊

hacklog.jp/works/3456

あの猫ちゃんにまた会いたい!猫と人と街をつなぐハートフルアプリケーション。

猫ちゃんと出会ったら、写真を撮影 位置情報から猫ちゃんの情報をアプリに登録 アプリを開けば近くにいる猫ちゃんがわかる。

 

 

 

 

こちらの作品はMonaca賞、kintone賞を獲得しました。おめでとうございます。

 

 

 

部門賞決勝に進むことのできる賞を獲得出来なかったですが、他の作品もとてもいい作品だったので、続けてご紹介します。

 

<その他の作品>

①作品名:子供の社会性を育てる支援サービス

hacklog.jp/works/3474

子供の躾に悩む20~40代の子育て世代への支援サービス。

主な機能はこちらの4つ ①クイズどっちがいい②成績画面 ③きっかけセンサー④相談サポート。

成績画面では自分の回答と、世間の回答率と比べることもでき、心配度を把握できます。

 

 

こちらの作品は、自分たちの持っている経験やコンテンツで何がつくれるだろうと考え、発達心理学の知識のあるチームメンバーのコンテンツを元に考えられたそう。 自分たちのできることで何ができるのか?を考えるのはハッカソンだけでなく、CivicTechにおいてもとても重要なことだと思います。

 

③作品名:airgohan / チーム名:生駒食堂

hacklog.jp/works/3471

airbnbのように,ホストとユーザに分かれて,いろんな人とご飯を食べようというサービス。

ご飯でつなぐコミュニケーションの提案です。

家庭の余ったご飯を共有したい、家庭のご飯をたべたい人をマッチングします。

「作りすぎるんだけど,一緒にどう?」みたいな軽いノリで,寂しくなくみんなでご飯が食べれるような環境を提供します。

 

 

 

市長からは、「買い物難民とのマッチングなどできたらいいなー」とのコメントも。

家ごはん(その土地の家庭料理)のシェアサービスは旅行者をターゲットに他でもありますが、買ってきてくれたらご飯を作って食べさせてあげるよという、買物難民である高齢者とその土地に住む学生(若者)とのマッチングであれば、CivicTechでもあり新しいサービスだと思います。

まずは生駒市からはじめるというスモールスタートをし、実績を積み上げていけば、個人的には一番化ける可能性の高いサービスだと思います。

先日アメリカで、政府機関への不満や意見をYelpで集めるというニュースがありました。使い方一つで、CivicTechとして利用できるなーっと思ったことを思い出しました。

 

こちらは生駒市長賞を獲得しました!おめでとうございます。

 

④作品名:いこパー

hacklog.jp/works/3458

迷惑駐車を少なくするサービス。

停めては行けない場所に停車して3分するとデリネーターが光って駐車をライトアップ!

5分経ったらBGMで存在感を際立たせます!6分を超えたらセレブ認定しパパラッチ(遠方のカメラから激写)。

  

 

 

 

こちらはIBM賞を獲得しました!おめでとうございます。

 

⑥作品名:CoCoCoN / チーム名:ユビプラス

hacklog.jp/works/3448

Pepper が観光客に「今、盛り上がっている場所 = ココアツスポット」を 案内してくれるコンシェルジュサービス。

イベント情報って雑誌に書いてない。今あつい場所が知りたい。という課題を解決。

アツイ場所がわかるので静かな場所もわかり、人混みが嫌いな人も使えます。

 

 

 

地図の上にたけまるくんが表示されているのをみて、とても喜んでいた生駒市職員の方がとても印象的でした。

アイコンをその土地のゆるキャラに変えれば、他の地域でも活用できます。

 

 

発表された作品は以上です。ここからは時系列にイベントの様子をレポートしたいと思います。

■イベント風景

今回は金曜日にハンズオンを行い、土日でハッカソンをするスタイル。

ハンズオンは、寺子屋を彷彿させる、和風な部屋で行い、ほぼマンツーマンというとっても贅沢なハンズオンになりました。

     

 

そしてとうとう本番のハッカソン当日。 まずは伴野さんからのオープニングです。

 

・オープニング

今回のイベントのテーマは位置づけ、そしてMashupAwardsについての説明です。

 

MashupAwardsにはたくさんの勝ち抜き方が有り、今回のイベントは部門賞予選にあたります。

最優秀賞(CivicTech賞と学生賞)を獲得すると次は東京で行われる部門賞の決勝に進出することになります。

MashupAwardsは幅広い作品をうけつけるコンテストなので、真面目なものも、真面目なことを面白い視点でみてもOK!

 

・アイスブレイク

説明がおわったら、次は簡単なアイスブレイクです。お題は「あなたの考える未来のスマートホーム、スマートライフ、スマートシティについてスケッチブックに絵だけで書いてください」です。

そしてテーブルのみんなに何を書いたのかあててもらいます。

 

 

・インプットタイム

次はインプットタイムです。

まずは生駒市から生駒市の今についてのおはなし。生駒市ゆるきゃらのたけまるくんも登場です。

生駒市は、

・主婦が幸せに暮らせる街ランキング 関西2位

・住みよさランキング関西3位

・経営革新度ランキング関西4位

・安心・安全な街ランキング都市型自治体の中で全国1位

子育て結婚に対して定住、移住を検討する人に向けてシティプロモーションを頑張っています。

 

 

次にCodeforIKOMAから、データポータルサイトについての説明になります。

生駒市のいろんなデータの中に、たけまるくんや、たけひめちゃんのゆるキャラ画像もあるよ!

 

 

 

続いて、ユビキタス研究室からテーマについてのインプットと、学内にあるスマートハウスの施設についての説明です。

ユビキタス研究室はスマートライフ、スマートシティ、スマートハウスをテーマに扱っている研究室。

実世界のデータを収集し、分析、返還のサイクルに取り組み、センサ、デバイス、ネットワークの連携により実現しようとしています。

また、実際に生活できる1LDKのスマートホームを実験棟としてもっており、そこには様々なセンサが埋め込まれています。

続いて、今回サポートいただく企業さまからのAPI説明になります。 今回サポートにきていただいのは以下の8社になります。

kintone API(サイボウズ株式会社 )

└ドラッグ&ドロップで簡単にデータベースが構築できる、クラウド型のデータベースサービス

レストランAPIなど(株式会社ぐるなび )

└飲食店の基本情報、画像URL、クーポンURLなどを取得することができるAPI

Monaca(アシアル株式会社)

└クラウド型のHTML5ハイブリッドアプリ開発プラットフォーム

mbed(ARM)

└ARM Cortex-Mプロセッサコアを使用したMCU開発プラットフォーム

Bluemixなど(日本IBM)

└アプリの実行に必要なプラットフォームをわずか数分で提供するPaasサービス

Pepper(ソフトバンクロボティクス)

└ソフトバンクロボティクスが提供するコミュニケーションロボット

mythingsなど(ヤフー株式会社)

└様々なWebAPIやIoTデバイスの機能を組み合わせて日常を便利にするサービス

気象情報APIなど(Yumake)

└天気予報を取得することができるAPI

 

 

最後にリクルートからいくつか電子工作部品をもってきたのでそのご紹介です。

 

 

・アイデアソン

インプットがおわったらようやくアイデアソンです。

今回のハッカソンで作るものを考えていただきます。

 

まずはアイデアの発散です。

今まで伺った説明の中で興味のあることを、蜂の巣シートを使ってさらにほりさげていきます。

アイデアにつまったら、隣の人のキーワードをカンニングしてもOKですよ!

 

 

一旦個人ワークがおわったら、書いた内容について隣の人に説明しながら、キーワード交換していきます。

自分になかったアイデアの種はあったかな?

 

 

それがおわったら、今度はアイデアを形に落としこみ、アイデアシートに記入していきます。

いまおもいついてしまったFlash的なアイデアを大切にしてね!くだらないことほど大切に!

 

アイデアはいくつおもいついてしまってもOKだよ!

 

 

アイデアを書き終えたら、みんなのアイデアをみてまわるアイデアウォーク。

直感的に「いいな」とおもったアイデアに星をつけていきます。

何かアドバイアスなどがあれば付箋にかきとめ、アイデアにはっていってね。

 

 

 

そして、人気のあったアイデアはみんなの前でモテアイデアとして発表していただきます。

 

 

ほしは沢山つかなかったけど、本当は星がたくさんつくはずだった自信のある作品も自薦方式で発表!

 

 

 

いくつかのアイデアが発表されたら、ここからチームビルディングです。

作りたいアイデアに出会えなくて自分のアイデアをどうしても実現させたい人は1人でもOKだよ!!

 

 

チームがきまったらやっとランチ!ランチをたべながら、アイデアをさらにブラッシュアップしていきます。

 

 

ランチうまそー。今回はヒレカツ弁当、生姜焼き弁当、目玉焼きハンバーグ弁当の3種類を頼みました!(ヒレカツ一番人気)

 

一方でpepper君の緊急停止ボタンの撮影に成功した人が!!こちらのツイートはめっちゃリツイートされましたw。

 

 

そして、アイデアソンの途中でスマートホーム見学会。荒川先生の説明付きです。

 

家のあらゆるところにセンサーがついています。

 

 

見学会をしてしまったのでちょっと遅めのアイデア宣言。今回のハッカソンで作るアイデアの発表です。

 

 

・ハッキングタイム

ここからはひたすらハッキングタイムです!! 使うAPIも決まったので、早速いろんなところで講習会が始まっています。

 

 

 

もくもく。ぱちぱち。

 

 

 

地図上にたけまるくんが登場!

 

そして、1日目の最後の中間発表のタイミングで、幻の生駒産レインボーラムネの差し入れです。

サポート企業のみなさまにも!

 

 

1日目の最後は中間発表でおわります。現在の進捗や困り事などを報告いただきます。

 

そして2日目!ドナルド体操からはじまります。

 

 

あとはひたすらハッキングです。・・・が2日目のお昼は早めです。

 

カウントダウンもはじまっています。みんな真剣です。

 

 

 

遅くなりましたが、レッドブル投入!

 

 

最後の追い込み。

 

そして… ハッキングしゅうりょー!(ぱちぱちぱち)

 

 

会場を発表スタイルに転換し、早速発表がはじまります。審査員のみなさまをパシャリ。

 

 

審査員のみなさまからアイデアや質問をうけながら、発表は続きます。

 

 

発表が終われば懇親会です。みんなお疲れ様!カンパーイ。

 

 

みんな表情がほっとしてますね。

 

 

審査会がおわったら、早速審査発表です。正座で聞くという新しいスタイル。

 

まずは企業賞の発表からです。Pepper賞の副賞は小さなPepperが1人一つに。

生駒市長賞の副賞のたけひめプリン美味しそう。

 

企業賞の発表がおわったら最優秀賞の学生部門賞とCivicTech賞の発表です。

生駒市から法被がプレゼント!!(その後MashupAwardsからもTシャツをプレゼント)

今回の最優秀賞の2チームは東京で行われる各部門賞決勝に進出となります。

1チームにあたり、その渡航費5万円も支給されますよー。

 

 

最後はみんなで集合写真です。お疲れ様でした!

 

 

今回のハッカソンにあたり、ご協力いただいたCodeforIkomaの佐藤さん、森さん、生駒さん。

そしてNAISTの荒川先生。生駒市職員の坂谷さん。 本当にありがとうございました。

 

<関連ブログ>

 

日本最大級のアプリ開発コンテスト「Mashup Awards #11」関西予選大会in 生駒 /生駒市 市長日記

pepper アプリ開発の可能性を皆さんに体感してほしい! MA 同行 全国行脚 – 奈良生駒編 /アルデバラン・アトリエ秋葉原

蛇足

10917872_810999818947686_4210908168556890190_n ハッカソン発表会がいつのまにか、市長にPepperを導入して欲しいの会になっていたのは、ちょっと市長に悪い気もしながらも、会場の一体感が密かに面白かったですw。

Pepperは触れてみないと良さなどわからないですからねー。職員として採用して、市民のみなさまと触れてみてもらってもおもしろそうですね。 ただ、その場合はPepperに命を吹き込むことができるエンジニアが必要になります。そういったところにCivicTechエンジニアが採用されるといいのになーって思います。

そして、今回のハッカソンで改めて思ったのは小さなイベントや出会いを大切にしていきたいということです。 MashupAwards9から参加してれているNAIST生の松田くんは、MashupAwards10でハードウェア部門賞も獲得した「おなかのげんじつ」という作品をいまも継続して開発をしています。先日はオムロンが行なったOMRON KOTO CHALLENGE(オムロン コトチャレンジ)のデモデイでも最優秀賞を獲得しました。

この作品(おなかのげんじつ)は、MashupAwards9のハードウェア部門賞である「Tempescope」を授賞式で見て、来年はハード作品を作りたいという思いからできたものとのこと。いまも継続して開発している作品のきっかけがMashupAwardsと聞くとすごく嬉しくなります。

同じく、コトチャレンジのデモデイで発表された「Hand in Hand」という作品も、最初のきっかけはMashupAwards9の大阪ハッカソンの「ミミミル」という作品で、intelのハッカソンで作られた「Aishintel (愛しィンテル)」が現作品(Hand in Hand)の原点なんじゃないか?なんて思ったり。 MashupAwardsが地道にやっているイベントが、今の作品に少しでも影響を与えていたら嬉しい限りです。

最近大きなハッカソンが多く、かつハッカソンによる直接的な成果というものを求められがちです。オープンイノベーションを口にするような人であれば、もっと長いスパンで効果考えてもいいでしょ…なーんて密かに思ったりしています。

MashupAwardsを数年やっていると、長期的スパンで見た際の効果に出会うことがあり、その時は本当に嬉しくなります。

わたしは、少ない人数かもしれないけど、MashupAwardsをきっかけにちょっと楽しい方に人生が狂ったなんていってくれる人が多いMashupAwardsのイベントはとても大切なイベントだと感じています。

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