2015年9月5日、静岡市 学校法人中村学園 専門学校静岡電子情報カレッジ ICT南町キャンバスにて、行われたアイデアソン

クルマと道の未来を描く もっと! しずみちinfo」のイベントレポートをお届けします!

こちらのイベントは静岡市主催のもと「クルマと道の未来を描く もっと!しずみちinfo」と題して

アイデアソンとハッカソンに分けて2回開催され、 Mashup Awardsは運営のお手伝いという形で関わらせて頂いております。

今回はパート1となるアイデアソンイベントです。

今回のテーマ

今回イベントのテーマは「クルマと道の未来を描く」です。

開催背景・目的として、今回は道路とクルマに関連した新しくて、面白いサービスを創出できないかということ 「一緒に車と道路の情報を利用して静岡市の未来を考えよう」を合言葉に、皆様と静岡市をターゲットにした“楽しく”“面白い”未来志向のサービスを発想し、 道路の通行規制や災害情報などの道路情報とクルマの走行状態などの車情報を組み合わせて、新しいサービスを考えていくことを目指します。

テーマに絡めるインプット情報

  • しずみちinfo – 静岡市の道路に関する様々な情報
  • しずおか型オープンデータ – 街のオープンデータ
  • トヨタITC – 車情報を活用したWebAPI

これらの3つの材料を組み合わせて新しいサービスを生み出す、または、.静岡市の活性化や、役に立つ新しいサービスを生み出すというアプローチでアイデアを創出いただきました。

これらを組み合わせることによって、どんな発想が生まれたのでしょうか。

今回は4つの賞が用意され、それぞれ以下のアイデアが選出されました。

 

 

<最優秀賞> しずみち探検隊!!

<静岡市賞> 待たずにおまち

<トヨタIT開発センター賞> シズクルト

<オーディエンス賞> しずみちヒャッハーMAP

審査員紹介

アイデアを審査いただいたのは、こちらの5名の審査員の方々です。


左から、 Georepublic Japan/ オープン・ナレッジ・ジャパン事務局長及びオープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパン事務局長 東 修一さん 東京工科大学メディア学部専任講師/オープンストリートマップファンデーション メンバー 藤澤 公也 さん しずおかオープンデータ推進協議会 会長/静岡県立大学 名誉教授 鈴木 直義さん ㈱トヨタIT開発センター 河野 進 さん 静岡県立大学経営情報学部 教授/ ICTイノベーション研究センター長 湯瀬 裕昭さん

発表されたアイデア

今回最優秀アイデアに選ばれたのはこちら

 

<最優秀賞> チーム⑦:しずみち案内人

アイデア名:しずみち探検隊!!

利用データ:しずみちinfo / しずおか型オープンデータ / トヨタITC

概要:ドライブのとき、子供は、後部座席で、お昼寝か、ゲーム。

親子でドライブを楽しむアプリ。しずみちのさまざまな情報をドライバー(お父さんやお母さん)へ教えます。

ポイントシステムや地図への情報マッピング等のオーソドックスな部分を始め、 その一要素としての地図にマッピングする要素である『美味しいお店』の判断材料として、オープンデータからお店の納税額を取得して納税額の多い店が美味しい店、というデータの割り出しに注目。

納税額を新しい視点でとらえたアイデアです

 

副賞はクリスタルトロフィーと静岡グルメの詰め合わせ!豪華!おめでとうございました  

 

 

 

続いては発表順にアイデアを紹介します。

 

<オーディエンス賞> チーム①:さわやか

アイデア名:しずみちヒャッハーMAP

利用データ:しずみちinfo / しずおか型オープンデータ / トヨタITC

概要:ヒヤリハットマップなどや、人口分布などを元に、静岡のマップを擬似的に分かりやすく表示。

また、実際の運転マナーを元に危険運転度を集計し、マップ上に表示。

これらを分かりやすく、且つゲーミフィケーションを入れて面白く表示する。

とにかく印象に残るというか、笑わせることに振りきれてはっちゃけたプレゼンを見せてくれたチーム。

プレゼンの中では日本が一回崩壊して無法者が跋扈してしずみちinfoが暴走しています。どういうこと!?

ハッカソンでこのアイデアを実装するのでご期待くださいとの締めと、勢いのあるプレゼンでオーディエンス賞を獲得しました。

しかしまだ具体的に何をどう作るか決まっていないそうなので、10月のハッカソンに期待です!

 

チーム②:そーだ しぞーか

アイデア名:しずみち Weekend Planner

利用データ:しずみちinfo / しずおか型オープンデータ / トヨタITC

概要:静岡県内外の観光客に向けた静岡を満喫してもらうためのルートプランナー・サービスです。

日帰りで終わらせず、点在する観光地をカバー、効率よくドライブして、ぜひ一杯やって静岡に一泊してもらえる魅力をアピールします。

静岡市へのオープンデータとして、駐車場情報や静岡市のアメッシュの要望があったのが良いですね。

駐車場はデータというよりも実物そのものが求められていたのでちょっと難しそうですが、アイデアソンが新しいオープンデータのきっかけになることを期待です。

 

チーム③:ちぇあナビ

アイデア名:ちぇあナビ

利用データ:しずみちinfo / しずおか型オープンデータ / トヨタITC

概要:車椅子やベビーカーを利用している高齢者や子育て世代が、普段の生活や観光をのびのび楽しめるように、車椅子やベビーカーでも安全に目的地にたどり着けるようにルートをナビゲーションするアプリです。

しずみちinfoの高低差、歩道有無、道路幅員と、トヨタの自動車情報(速度、交通量)を利用し、安全なルートを計算し、ナビゲートします。 道路台帳のデータをうまく活用したアイデア。

優しさあふれるアイデアで、内容的にも堅実で現実感があるため、実際に作る事もできそうな感じがします。

 

チーム④:カフェメガネ男子

アイデア名:スルーしないで! 静岡

利用データ:しずみちinfo / しずおか型オープンデータ / トヨタITC

概要:走ってわくわく!おりてドキドキ!車ユーザーもお得で楽しい静岡を体験できるドライブラリーアプリ。

1.まちなかでお得!「お店ポイントラリー」

2.オクシズでラッキー!「ドライブラリー」

3.今月のサブカルチャー!「ポイントでGetだぜ!!」

普段は楽しめるアプリとして利用できつつ、災害時にはハザードマップやナビゲーションとして変化。

災害対策アプリはなかなか事前に用意してもらうのが難しく、いざ災害が起こってから用意されるのでは遅いので、

そういったアプローチで災害対策を用意出来る点が好評でした。

 

<トヨタIT開発センター賞>

チーム⑤:チームガーディアン

アイデア名:シズクルト

利用データ:静岡市公共施設情報 / 照明灯 / 避難所 / 道路規制 / 通学路 / AED / 道路台帳 / 防犯カメラ / 自転車走行空間整備箇所 / ITCの外気温 / 交通量

概要:日常の悩み(日焼け、熱中症、交通事故、自転車の走りにくさ、高齢者や弱者の歩きにくさ)から、犯罪、災害などいざという時まで。

安全な場所、ルートを車のITCデータと道路情報、施設情報などを組み合わせて計算し表示。検索。災害時は自動で地震や津波モードなどに切り替え。

個々人の要望にあわせて「まもりの優しさ」のあるルーティングをするサービス。

組み合わせはオープンデータの数だけ増えていく! アイデア名は某RPGの防御呪文「スクルト」に「しずおか」を組み合わせたもの。

 

トヨタIT開発センター賞を受賞です、おめでとうございます。

それにしてもプレゼンに出てきていたあおいくんって、いったい何なんだ・・・何者なんだーーー??!

 

<静岡市賞> チーム⑥:チーム9(ナイン)

アイデア名:待たずにおまち

利用データ:しずおか型オープンデータ / トヨタITC

概要:ソーシャル型コインパーキング案内アプリ。

おまちに買い物行く際に使える駐車場情報のアプリ。

1.行きたい場所の近くで利用時間に合わせた最適なコインパーキングをおすすめ

2.コインパーキングの評価をソーシャルで集める

3.目的地近くでおすすめの飲食店も紹介(広告の収益も見込める)

駐車場の料金表フォーマットの統一を行い、利便性を高めるとともに、空いてるパーキングの検索やクーポンなどを獲得出来るサービス。

 

こちらのアイデアは静岡市賞を獲得です、おめでとうございます!

ちなみに「おまち」とは、静岡市の街中のことだそうです。


 

<静岡市賞>

チーム⑧:チーム安グル

アイデア名:安全運転DEグルメ

利用データ:しずおか型オープンデータ / トヨタITC

概要:車を運転している人が危険運転をしていないか車載カメラから判断。

危険運転をするとポイントが減点される。

自転車の脇を通るときに、自転車との距離やすれ違うときのスピードを判断するなど、安全運転かどうかを監視するサービス。

危険運転をしてる人が検挙されたりするのはたまたまそこに警察がいた時だけ、普段は危険運転をしてもなにもペナルティがないのが良くないというポリシーのアイデア。 質疑では実現性についての質問と、保険会社との連携をしたらどうかという意見も飛び出しました。


 

 

発表されたアイデアは以上です

インプット情報

今回のアイデアソンの中核となる、3つのインプット情報について紹介します。

しずみちinfo – 静岡市の道路に関する様々な情報

https://shizuokashi-road.appspot.com/  

しずみちinfoとは、市内の道路における 通行情報 などの管理を行うGISのこと。

通常時、災害時異常気象時や、通行止めや災害場所をリアルタイムで地図にマッピングし一般提供しています。

こちらから一般の人であればだれでも閲覧・利用できるので、ぜひ見てみましょう!

 

しずみちinfoの画面

しずみちinfoの画面

 

しずおか型オープンデータ – 街のオープンデータ

http://www.city.shizuoka.jp/186_000001.html  

しずおか型オープンデータでは、静岡に関する町の様々な情報がクリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示2.1日本ライセンス(CC BY 2.1 JP)のもとで提供公開されています。

多種多様なデータが公開されており、災害時などの対策や自転車走行空間整備などの安心・安全情報、AED設置箇所や小さい子供やお年寄りがいるご家庭に向けての医療福祉情報をはじめとする データが豊富に揃っています。

また、オープンデータは市民や皆さんからの要望に応じて追加等が行われる場合もあるとのことです。

豊富な種類の情報が公開されています

トヨタITC – 車情報を活用したWebAPI

http://hacklog.jp/apis/14

クルマ情報を取得する試作WebAPIです。

GPSの位置情報、車速やエンジン回転数などのクルマの制御情報や、あるエリアにおけるワイパー操作状況、急ブレーキの発生状況などの統計情報が取得可能です。 また、専用のハード機器を装着することで、リアルタイムに走行しているクルマの情報を取得することも可能です。

1秒に1回のマッピングを行なう、リアルタイム性の高さについても紹介いただきました。

マッピングデータはCSVとして出力されます。

 

Esriジャパンオープンデータポータル

http://data.esrij.com

トヨタITCWebAPIでCSVとしてエクスポートされたデータを可視化するためのツールを提供しています。

地図にいろんなオープンデータを重ねることで見えるものからアイデアを考えるのに役立ちます。

例えば、降水量の情報と道路情報を重ねて見て、道路と雨降の場所が重なっている場所はスリップしやすいなど。

 

プレゼンツールとしても使用可能です。

イベントの様子

今回のイベントの参加者の方はアイデアソン初参加!という方がかなり多いことと、性別・年齢層の幅がとても広かったことが印象的でした。

人数もおよそ40人と、アイデアソンとしてはかなり大規模のイベントとなりました。

 

アイスブレイク

こういったアイスブレイクははじめてという方が多くて、ちょっと戸惑いの声がありつつも、いざはじまったらかなり盛り上がり!参加者の方々の雰囲気がとてもよかったです。


 

アイデアの整頓

インプットタイムで得た情報を蜂の巣シートで整理。

ガッツリ書き込んでいる人が結構多く見られました。

 

 

つづいては、キーワードの抽出。週末に体験したことを付箋に書き出して、アイデアのきっかけになるキーワードを探します。

 

さらにつづいては、皆が付箋に出したキーワードから各テーブルごとにランダムに8枚ピックアップ。 うち、2枚をこれから創出するアイデアへ含めるキーワードとして使っていただきました。


アイデアをひろげる

1チームにひとつのホワイトボードが利用できる形になっており、アイデアを広げ放題です。

チームごとに結構進め方のスタイルが違うのが個人的に注目ポイントでした。

イベントのシメは集合写真で!

横断幕を構えて!!みなさんおつかれさまでした!

イベント中はしずおか全開!

この機械、なんだかわかりますか?

会場に設置されていたこの機械、「冷茶機」というものだそうです。

見たことがなかったのですが、静岡ではごく一般的な存在だそうです。さすがお茶の街静岡!!

さらに、冷茶機の横においてあるのは「静岡の水」これでお茶を水出しします。

お茶は2種類あり、定番の味と、桜の味のお茶「まちこ」がありました。参加者の方に大好評。

 

他にも、静岡限定のお菓子などが参加者に振る舞われ、静岡市主催のもと行われた本イベントは

静岡の魅力も感じることが出来るアイデアソンとなりました。

静岡にいきたくなったら、ハッカソンに出よう!

美味しいお茶などが色いろある静岡ですが、10月10日にハッカソンが開催されます!

イベントページはこちらから。 お茶を飲みながらハッカソンをしましょう!

アーバンデータチャレンジ・しずおかアプリコンテストに応募しよう!

アーバンデータチャレンジ2015について

アーバンデータチャレンジ2015とは、一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会(http://aigid.jp)主催のもと行われる、 地域課題の解決を目的とした地方自治体を中心とする公共データを活用した年間のイベント開催を伴う一般参加型コンテストです。

コンテストの主な支援内容として、以下の項目が掲げられています (http://aigid.jp/?page_id=1175 ウェブページより抜粋) ①地域拠点におけるワークショップ(勉強会・アイデアソン・ハッカソン等)の運営支援、講師派遣、作品応募等に向けた技術支援をします。

なお、会場費等の運営経費は必要に応じて別途、上限20 万円まで支援します。 ②WebGIS 等によるデータの加工・提供・利活用や公共データのオープンデータ化に関する支援を原則無償で行います。 ③東京で開催する地域拠点の活動報告会に際し、登壇者の旅費を支援します。   地域を良くする活動に興味があるかたは是非ご参加を!

しずおかアプリコンテスト開催決定

静岡アプリコンテストの開催決定が本イベント中に告知がありました。

賞金額は★★万円(まだナイショ)!!今日考えたアイデアを形にして、MA11への応募としずおかアプリコンテストに応募して賞金を狙っちゃいましょう

編集後記

かなり大規模なアイデアソンイベントでしたが、静岡市の方々、トヨタITCの方々のみなさまのおかげで、スムーズな進行となりました。

ありがとうございました。 また、今回のアイデアで気になったことについては、全体的にちょっと似通った物が多かったこと。

合わせて、それがどんなかたちでどう実現されるのか、どう運用されるのかについてが少し見えづらいものもありましたが、そんなことを言いつつもアイデアとは形にしてみるまでそれが面白いのかどうかというのはほんとうの意味では判断出来ないものだとも思っています。 発表されたアイデアがハッカソンで形となり、このアイデアの面白さを100%の形でつたえていただけることを楽しみにしています。

関連する記事