11/3に銀座メディアテクノロジーラボにて行われましたIoT部門賞の決勝戦のレポートをお届けします。

 

IoT部門賞は、ハードウェアやセンサーなどを活用しInternet of Thingsの未来を感じさせるアプリ、もしくは未来が見えるオリジナルハードウェアを開発した作品を選出します。

運営パートナーとしてMakers Hubさんにご協力いただいている賞になります。

審査員紹介

IoT部門賞の作品を選出する審査員として、こちらのお三方に評価を頂きました。

写真左から

 ・渡會 豊政 氏(アーム株式会社 IoTビジネスユニット)

 ・久下 玄 氏(Coiney,Inc プロダクトストラテジスト)

 ・岡島 康憲 氏(岩淵技術商事株式会社 執行役員)

 

 

審査基準は以下の3点です。
 ・アイデア:独自性、新規性、優れた着眼点、発展可能性
 ・完成度
:実用性、ユーザビリティ、エンタテイメント性
 ・デザイン
:芸術性、優れた表現技法

作品紹介

<IoT部門賞>

■作品名:peta×peta 
http://hacklog.jp/works/4113
中敷型デバイスとスマートフォンを連動した頭脳戦SFおにごっこ

 

インソールにマイコンと感圧センサーを仕込んだプロダクト。おにごっこにITを融合させました。

おにごっこにルールを設け、制限時間内に鬼から逃げた距離をポイントとして上位を競い合います。

競技は屋外で行われます、アプリで競技フィールドの地図を確認しながらゲームを行い、

地図上にはお互いの位置が表示され、その情報を確認し合いながら追いかけ合います。

ただし、地図上には歩いている間は自分の姿は表示されず、走っているときは地図に表示されます。

走っている状態は感圧センサーで感知。ポイントを稼ぐために走るか、ゆっくり歩いて自分の位置がバレないように逃げるかの駆け引きをおにごっこに導入しました。

実況観戦できる機能もあります。臨場感溢れるインターフェース。(LIVEという文字の動きも注目)

インソール型のデバイス。電池を内臓して最大2時間ぐらいのプレイが可能。

複雑さがなく万人にわかりやすい点も高い評価を受けたポイントとなりました。

歩いていて違和感のない基準として、市販の厚底インソールの中に収まるサイズにこだわった点も素晴らしいと思いました。

IoT部門賞獲得おめでとうございます!

部門賞賞金20万円と、Mashup Awards11のFinal STAGE進出への切符を手に入れました!!

 

 

 


 

■作品名:FITR 
http://hacklog.jp/works/5089
シンプルに目的地まで案内してくれるスマートフォンと連動した小型デバイス

 

方向音痴の人のために作られた道案内デバイス。

分かれ道の形を模したデザインのおしゃれなガジェットが、コンパスのように目的地の方向を常に指し示し続けるというインターフェースの作品。

名前の由来はFork In The Road(分かれ道)の略称。初めての土地で道を調べるとき、スマートフォンで地図を確認しますが、せっかく初めての土地でもスマートフォンばかりを見ていて、景色や会話を楽しめなかったことが開発のきっかけとのことでした。今後の展望は小型化や目的地入力など。

決勝の場所となるヒカリエの方向を指し示し続ける実演デモ

マイコン機構とバッテリー

ベビーカーや傘に装着するなど、手がふさがっているシチュエーションで使用できるという点が評価されていました。

 

 

 


 

■作品名:Squeeze Music / チーム名:GoGyo
http://hacklog.jp/works/4350
音楽を再生しながら、その楽曲のムードに合ったミックスジュースを自動作成するジュークボックス型プロダクト

 

音楽体験を「味覚化」した作品。楽曲をプレイすると、その曲に応じた感情に対応するジュースがブレンドされ、1曲終わると曲を味覚としてあらわしたミックスジュースが出来上がります。

しょっぱい→センチメンタルな味、という”感情に対応する味”は予防医学やヨガ的な考えに由来しています。

曲の調子に合わせてジュースが作成される様子と、味についての説明。

「狙ってないと思うけど、ポンプのモーター音いいね。」と、消せなかったプロトタイプのモーター音を、審査員が面白がっていたのが印象的でした。是非動画で聞いてみてください。

 

 

 


 

■作品名:Qcat / チーム名:レッドインパルス
http://hacklog.jp/works/5210
『Qcat』は鍵を持たせることのできないペットのためのスマートロック

 

猫用ドアに自動で鍵がかかるようにしたIoT作品。

猫用ドアの物理的なセキュリティ問題(泥棒が手をツッこんで鍵を開けたり、たぬきが入ってきたり・・・)を解決するアプローチを行ったものです。

猫の首輪のBeaconをトリガーに猫用ドアに設置したマイコンでサーボを制御して扉を開閉します。

猫(だと思って欲しい)による実演動画。

Beaconを首輪に搭載することによって、猫がどこにいったかをロギングして、猫が喋っているようなツイートをすることも可能。これを利用してアイドル猫を演出して、聖地巡礼をさせようという今後の展望も考えているとのこと。

 

 

 


 

■作品名:POS Bee / チーム名:POST入魂 
http://hacklog.jp/works/3821
おうちの玄関先で、おうちの出来事をまとめてくれる、コンシェルジュサービス

 

呼び鈴が押されたり、ポストに手紙が投函されたり、届け物が届いたりするとメールでお知らせしてくれるIoTプロダクト。

これにより、家事をしていて届け物の呼び鈴に届かなかったり、手紙が入っているかどうかわざわざポストまで行って確認しなくても大丈夫になる、生活に寄り添った作品です。

北陸ハッカソンで代表として選ばれた時よりもぐっと小型化されブラッシュアップされています。

実際にアプリから行われた通知のツイート

 

 

 


 

■作品名:Openness-adjustable Headset:開放度を調整可能なヘッドセット
http://hacklog.jp/works/4336
外気への開放度合いを物理的に調整するこれまでにないヘッドセット

 

新しい音楽鑑賞体験・音楽表現方法、知的生産活動環境制御、交通安全支援、および環境認知・対人コミュニケーションに関する支援を提案します。

ヘッドフォンには二種類あり、オープン型、クローズ型のものがありますが、それらを両立する形を実装したのがこのヘッドフォン。

あらゆる状況や条件で開閉される「耳の蓋」として機能します。

・時間が経つと自動でクローズ型にチェンジ(集中が高まってきたら外部の音を遮る)

・楽曲のサビに入った瞬間にクローズ型にチェンジ

・自転車に乗っているとき(一定以上の加速があるとき)自動でオープン型にチェンジ

・自分の名前が呼ばれたらオープン型にチェンジ

・耳にしたくない単語やテレビ番組があったらクローズ型にチェンジ

・・・など。

聴きたくないテレビ放送が聞こえてきたら自動でクローズ

某TV局を聞かないという、あまり必要がなさそうな機能をわざわざ実装してくる遊び心はMAらしさを感じます。

 

 

 


 

■作品名:【手洗いうがいRPG】はわっぐクエスト
http://hacklog.jp/works/4277
毎日の手洗いうがいが伝説になる!?ゲームで楽しみながら『手洗いうがい』の習慣を身に付ける教育アプリ

 

年齢を重ねるに連れて、雑になる手洗い習慣をゲーム化して楽しく手洗いうがいをしてもらうアプリ。

感圧センサーにより、ハンドソープのプッシュとうがいコップの動きをセンシングして、アプリ内でのキャラクターアクションと連動させます。

えっ、そういうことなの?感あふれる実際のプレイデモ動画

感圧センサーで、ハンドソープが足りなくなってきたことをメールで通知してくれる部分がIoTだそうです。

スタッフも「これは狂気だ…」と絶賛。

 

 

 


 

■作品名:傘の家 
http://hacklog.jp/works/4151
天気予報通知IoT

 

腕の生えた家のオブジェが傘を持っており、内臓のWi-Fi対応マイコンが1時間おきに天気予報情報を取得し、予報が雨や雪だった場合に傘を持ち上げることで知らせます。

家屋はマッシュアップで進化してきたと考えられ、これから先さらに進化が進み、家が知性を持ったとしたら、きっと雨風を自分で凌ぐような行動をするだろう、という発想のもとに生まれた作品。かわいい傘は「リカちゃん雨の日セット」とのマッシュアップ。

動作の様子

 

 

 


 

■作品名:俺のぐい呑み / チーム名:ドランカーズ 
http://hacklog.jp/works/3879
「日本酒党」「家族」「お店」もうれしい!日本酒専用デバイス

 

日本酒が大好き、だけどもついつい飲み過ぎて恥ずかしいお酒の失敗を繰り返してしまう、そんなトラブルをなくすためのぐい呑み型ガジェット。

飲み過ぎ防止のため飲んだ杯数を通知する機能をはじめ、飲んだお酒の銘柄を記憶したり、注がれたお酒の温度から熱燗・ぬる・冷やなどを判別したりすることが可能。

飲み干しの判定はジャイロセンサーによりぐい呑みの確度が90度傾けられたことにより感知。銘柄の登録も音声入力で可能。

また、「言い訳DB」を搭載しており、毎日何かの理由にかこつけて呑むための言い訳も用意してくれるなどの、お酒を呑む人のために作られたプロダクト。

動作デモ

 

 

 


 

■おなかのげんじつ2 / チーム名:WAISTON Chobit Healthcare 
http://hacklog.jp/works/4828
誘惑に負けて食べ過ぎちゃう。そんなアナタに、アナタの食べ過ぎをそっと指摘してくれる、新しいデバイス

 

ベルトのバックル型のプロダクト。

バックル内部にセンサが内臓されており、毎日のベルトを付ける習慣で日々のウエストサイズを記録。感圧センサも備え付けられており、お腹のハリ具合もセンシングしており、食べ過ぎ飲み過ぎも監視。短期的・中長期的どちらのお腹周りの油断具合も監視してくれます。

水を一気飲みしてお腹のハリ具合のセンシングの様子をデモ。

ハリ具合が上昇するとアプリの画面が赤くなり、ビープ音でお知らせしてくれます。

小型に仕上がっており、バックルを取り替えればどんなベルトにも装着可能。

 

 

 

 

発表された作品は以上です!

 

イベントの様子

IoT作品を試してみたら、今まで味わったことのない体験だった

それぞれ個性的なIoT作品が登場しましたが、懇親会や質疑のシーンで実際に使ってみた様子を幾つかピックアップしてお届けします。

 

 

Openness-adjustable Headsetをつけてみました。

耳元で聞こえるモーター音がちょっと強烈な感覚をもたらすとのこと。

(横で「政治、政治」囁いているのはデモ中に「聴きたくないワード」として登場した単語です。)

 

フレディ・マーキュリー味のジュース、飲んでみました。

「感慨深いフレディーマーキュリー味」・・・一体・・・。

 

エア手洗いによるゲームプレイをしてみました。

手を洗うって、こういうことでしたっけ・・・?

イベントラストは集合写真

ご参加いただいた皆様、おつかれさまでした!!

 

イベント関連リンクこちらをみていただくと、イベントの盛り上がりがより伝わるかと思います!

●つぶやきまとめ(togetter)
http://togetter.com/li/895332

●イベント写真(flickr)
https://www.flickr.com/photos/100125183@N08/sets/72157660385646080

●関連ブログ

Mashup Awards 11 IoT部門決勝戦に行ってきました/ユビ研の日常

編集後記

同日行われた学生部門賞決勝の作品も同じくですが、今年は画面外に飛び出した作品の応募が多く、今年のIoT部門の盛り上がりは凄まじいものとなりました。

どんどんダイナミックで、今まで想像もつかなかった新しいものが作られていく光景、スゴイです。

ひと昔前ではSFの中でしか見かけなかったようなものも、開発されたり、世に広まったりしてきています。

未来を作っている感の溢れる、IoT部門はそんな部門賞決勝となりました。

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