10月31日と11月1日にMBSが主催しておこなったハッカソン「Hack On Air」の運営のお手伝いをさせていただきました。

今回のハッカソン予選であるアイデアソンでは、”MBSのテレビ・ラジオ番組、イベントをさらに良くするための斬新なITサービスの開発”というテーマで、7つのテーマについて考えていただきました。
テーマは以下の7つになります。それぞれのテーマにおいて具体的な番組やイベントで利用されるサービスを考えていただきました。

 1.生ワイド:「ちちんぷいぷい」

 2.音楽:MBSの音楽番組ならオールOK!

 3.報道:「VOICE」(定時ニュースでも可)
 4.スポーツ:プロ野球 阪神戦生中継

 5.アニメ:機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
 6.ラジオ:ラジオウォーク
 7.イベント:神戸コレクション

 

そして、本戦であるハッカソンには、それそれのテーマでのトップアイデアと、敗者復活戦で勝ち残った1チームの合計8チームで行われました。また、各チームにMBSのディレクターらが1人ずつ加わり、放送マンとITクリエーターがコラボレーションが一緒になって取り組むハッカソンでもあります。

さらには、この大会の模様はMBSテレビで特別番組として放送する予定です。

そんなハッカソンでの最優秀賞は、チェックポイントにつくと地図の上に絵が浮き上がってくるという「てくてくの書」になりました。
おめでとうございます。

こちらの作品はMashupAwards11の準決勝でもある2ndSTAGEにも進出することになります。

今回は、以下の審査基準をもとに選定いただきました。

 ・アイデア:独自性、新規性のあるアイデアか、番組やイベントが魅力的になるか、面白くなるか

 ・完成度:実際に動作する作品に仕上がっているか、技術的なこだわりが作品に反映されてるか

 ・デザイン:使っている人を楽しくさせるしくみ、体験のデザイン

 

審査をお願いしたのは、こちらの6名になります。

 ・荒川豊氏(NAIST 准教授)
 ・池澤あやか氏(女優・ウェブ開発者)
 ・及川卓也氏(Hack For Japan発起人、一般社団法人情報支援レスキュー隊代表理事)
 ・中村建助氏(日経コンピュータ編集長)
 ・村上臣氏(ヤフー株式会社 執行役員 CMO)
 ・中野伸二氏(毎日放送 編成局チーフプロデューサー)

 

では、早速発表された作品をご紹介していきたいと思います。

■作品紹介

最優秀賞、優秀賞、審査員特別賞からご紹介していきます。

 

<最優秀賞>

④作品名:てくてくの書 /チーム名:はなまるウォーク 
http://hacklog.jp/works/5721
白紙から文字や地形が浮かび上がってくる紙の地図

移動ルートだけ書かれた地図をもって歩くと、チェックポイントを通過するたびにそのポイントが地図から浮かび上がり、地図が完成していきます。チェックポイントの通過判定は,地図に内臓されたBLEと,ウォーキングイベントのスタッフが持っているスマートフォンをBluetoothで通信。
感熱紙と抵抗の発熱を使うことでデジタルディスプレイなどの機械を使わず,紙ベースの浮かびあがる地図を実現しました。

↓地図が浮かびあがってくるデモ

 

こちらの作品は、最優秀賞だけでなく、NTT西日本賞、AWS賞も獲得しました。おめでとうございます。

 

 

 


続いては優秀賞の紹介になります。優秀賞は2作品あります。

 

<優秀賞>

③作品名:ぷいぷいブックマーク /チーム名:黒服とゆかいな仲間達
http://hacklog.jp/works/5717
生放送番組だからこそリアルタイムに楽しめるコンテンツを提供

 

手持ちのスマホでぷいぷいブックマークにログインするだけで、番組に合わせたコンテンツがリアルタイムに配信されます。 例えば、中継に出ている人から”リアルタイム”に写真が届いたり、アンケートによってあなたの意見が”即座”に番組に反映されたり。生放送ならではの双方向でリアルタイムなコミュニケーションを実現しました。

↓リアルタイムにアプリに反映したコンテンツに「お気に入りを押すと?」

↓中継の模様がリアルにアプリに反映

お気に入りを押した時のインタラクションなど、視聴者を楽しくさせるちょっとしたこだわりもいいなと思った作品です。メンバーが全員エンジニアのこのチームは、ずっとモクモクとしていたのがとても印象的なチームでした。

 

こちらの作品は、ぐるなび賞、楽天賞も獲得しました。おめでとうございます。

 

 

 


 

<優秀賞>
⑤ワイが監督や! /チーム名:チーム金本

http://hacklog.jp/works/5716
阪神タイガースの采配に対するファンの意見を、MBSの放送を通じて、金本監督に伝えられるアプリ

 

阪神中継を見ながら、試合のターニングポイントの次、どういう采配をするべきか、2〜4択の投票画面(代打はだれにする? 継投は? バント?ヒッティング?)が現われ、投票できます。実際の采配とどの程度マッチしていたかも後で振り返られます。

↓中継風景のプレゼン

↓投票画面と投票結果のスマホ画面

 

こちらの作品はクラウドパック賞、ハンズラボ賞、マイクロソフト賞も獲得しました。おめでとうとざいます。

 

 

 


続いては審査員特別賞の紹介になります。

<審査員特別賞>
⑧BATTLE TV /チーム名:TERM BATTLE7
http://hacklog.jp/works/5720
TV、デバイス、アプリの融合で、体感、共感、共有できる作品

 

デバイスを身につけて振動をあたえ、映像をみながら戦っている振動をリアルに感じてもらう体感型の作品。風を感じる仕掛け(小さな扇風機)も銃に仕込んでいましたが、動かなかったようですね。また、画像との連動は音声透かし技術を利用予定でしたが、そちらは実装まではいたらずorz。

↓動作デモ。戦っています。

審査員からは、「TVが反応しないと、連動してるといえないと思うんですが…」という厳しいコメントも。

 

こちらの作品は、マイクロソフト賞も獲得しました。

 

 

 


続いて、全ての作品を発表順にご紹介していきたいと思います。


①作品名:シャカログ/チーム名:レコチョクの名のもとに

http://hacklog.jp/works/5712
ユーザが携帯電話をテレビの前でフリフリし、ライブ・フェス感覚で利用できるテレビ参加型アプリ

 

アプリを起動し、Startボタンを押すとTV音源に埋め込まれたメタデータ(VRON)を解析。スマホをシャカシャカすると、スマホの加速度センサー、ふり幅、回数等を計算し、点数を判定します。点数判定後、ユーザがどのジャンルを聴く傾向が強いのか等をグラフ化します。
その際に、判定結果によりUserが聴く音楽の傾向に近い音楽等をGracenote APIを使ってレスポンスを返します。

↓シャカシャカするデモ(最後の「nice」画面を取り逃してごめんなさい)

 

こちらの作品は、グレイスノート賞とビデオリサーチ賞を獲得しました。おめでとうとざいます。

 

 

 


 

②作品名:VOICE CHOICE -45分間だけスマホとサヨナラ- /チーム名:宇都宮地 
http://hacklog.jp/works/5718
3つの特長①放送中は何もしない②ちょうどいい情報量③勝手にニュースが届く

 

テレビ放映中は、番組のキーワードのブロックが次々と落ちていきます。放映後気になったキーワードの書かれているブロックをタップすると、そのキーワードに関連した過去の動画や、未来の連動番組告知を見ることができ、テレビコンテンツの橋渡しをします。ブロックには時々、リアルタイム視聴者だけのブロックも出現します。その中身は…?(動画をご覧ください)

↓番組放映中、番組のキーワードのブロックが落ちてくるというスマホの動きのデモ


  ↓理解したよボタンと、リアルアイム視聴者だけのブロックについてのデモ。リアルアイム視聴者だけのコンテンツの中身は?!

 

こちらの作品は「あしたのコミュニティラボ賞」「第一興商賞」を獲得しました。おめでとうございます。

 

 

 


 

⑥作品名:シンデレラプロデュース /チーム名:スポットライト
http://hacklog.jp/works/5719
一般の来場者もモデルのように撮影され、リアルタイムで動画が作られ、メールで受け取れます。

 

一般の来場者に、ランウェイ的な撮影スポットをつくり歩いてもらいます。そこでは、ラズベリーパイで複数のカメラを制御し撮影します。その動画をサーバーに送り、 複数の動画をリアルタイムで編集。さらにファッション・気分に合わせた音楽と組み合わせることで、シンデレラムービーを作成します。 作られた動画はすぐにユーザーにメールで送付。またそのメールからシンデレラムービーで使用した音楽を楽天決済で購入することも可能です。 

↓プレゼンコント。本当はこんな感じの動画がリアルタイムでできる!

↓OTOちゃんに歩いてもらって撮影したものをリアルタイムで動画作成のデモ・・・が失敗orz

 

こちらの作品は、デバイスコネクト賞と楽天賞を獲得しました。おめでとうございます。

 


 

⑦SURROGATER TV /チーム名:InfinityLuck 
http://hacklog.jp/works/5714
番組内のロボットに視聴者が憑依します。

 

視聴者はスマホアプリで「声」「テキスト」「画像」「動画」を投稿。ディレクターなど番組の構成者が視聴者からの投稿を選定したら、番組内のロボットが視聴者の「生の声」を伝えます。

↓動作デモ。時間内では失敗してしまいましたが、質疑の中で「テスト」というユーザの声の憑依に成功。

ハッカソンではあまり目立たないところでしたが、運用画面がすばらしく完成度が高かったように感じます。 また、憑依した時のPepperの動作にはおもわず「クス」っとなってしまうので、是非動画でご覧ください。

こちらの作品は、Monaca賞とkintone賞を獲得しました。おめでとうございます。(※Monaca賞だけ写真がとれずすいません)

 

そして、一旦はスタジオで集合写真!掛け声は、「MBSはーーーーーーーっく!」

 

 

続いて、イベント風景をお伝えします。

■イベント風景

ハッカソン会場はMBSのスタジオでした!

 

今回のハッカソンの技術サポートをしてくれる企業もこんなにいっぱい!

今回サポートいただいた技術・素材はこちらになります。なんと、16社!!

 ・Monacaなど(アシアル会社)

 ・アマゾンウェブサービス(アマゾンデータサービスジャパン株式会社)

 ・デバイスコネクトAPIなど(NTTドコモ)

 ・TVメタデータ提供API(エム・データ)

 ・レストラン検索APIなど(ぐるなび)

 ・楽曲解析APIなど(グレースノード)

 ・GettyImagesAPI(ゲッティイメージズ)

 ・SendGrid(構造計画研究所)

 ・kintoneAPI(サイボウズ)

 ・SpotifyAPI(スポッティファイジャパン)

 ・Microsoft Azure Machine Learningなど(マイクロソフト)

 ・マイコンやセンサーなど(ハンズ・ラボ)

 ・VRON SDK(ビデオリサーチ)
 ・動画リンク技術アプリケーションSDK(富士通)
 ・mythingsなど(ヤフー)

 ・楽天市場商品検索APIなど(楽天)

 

そして、各チーム毎にハッカソンの様子をお届けします。

 

まずはピンクチーム。ずっとモクモクしてましたね。

 

ブルーチーム。一番楽しそうでしたw。(特に杉本さんが)

 

イエローチーム。ハッカソン中、ずっとモニターから阪神戦が流れてましたね。

 

ブラックチーム。発表のトップバッターご苦労さまでした!

 

モスグリーンチーム。最優秀賞おめでとう!

 

オレンジチーム。完全に放送マンとITクリエーターが融合してましたね。(実はこのチームのファンです)

 

サーモンピンクチーム。最後の最後まで開発してましたね。そしてOTOちゃん大人気。

 

スカイブルーチーム。Pepperは気まぐれですよね。(そしてスタジオには魔物がいましたね)

 

ハッカソン中、取材もたくさんありましたね。

 

最後はこんな追い込みの姿もありました。

 

最後の最後の懇親会での集合写真です!みんな本当にお疲れ様でした!

 

 

☆special thanks☆

プレゼン時の写真はSendGridの中井さんのものをお借りしております。

中井さん。素敵な写真をありがとうございました。

 

イベント関連リンクこちらをみていただくと、イベントの盛り上がりがより伝わるかと思います!

●つぶやきまとめ(togetter)
 ・アイデアソン
 http://togetter.com/li/888159
 ・ハッカソン
 http://togetter.com/li/893761

●イベン写真(flickr)
 ・アイデアソン
 https://www.flickr.com/photos/100125183@N08/albums/72157659976212481

 ・ハッカソン
 https://www.flickr.com/photos/100125183@N08/albums/72157660599283405

●関連ブログ
第二回MBSハッカソンもミラクルな楽しさだった/宇都宮ウエブ制作所
MBSハッカソンはやっぱり楽しかった!/株式会社ブリリアントサービス
OITの底力を見せつけた! 「MBSハッカソン」で最優秀賞に輝く!/テクミのブログ

蛇足

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今回で第2回目となるMBSハッカソン。様々な点で第1回目との違いを感じました。

 

まず1つ目が、MBSさんのハッカソンに関する理解度。

アイデアソンの段階から、チームビルディングではエンジニアを必ず一人含むこと、そして、システム構成図を発表に含めること。アイデアが割れたらエンジニアファーストで、エンジニアのアイデアを優先するなど、様々なところで「モノづくり」へのこだわりを感じました。

だからこそか、昨年よりももくもくする時間帯がはやく、会場の雰囲気も昨年に増してハッカソンっぽかったです。

 

2つ目はテーマ設定。これは自由度がなくなり奇抜なアイデアが少なかった、より具体的に作るもののイメージがしやすくなったなど、賛否両論の意見を聞きますが、作られた作品を「番組で利用したい!」という本気度から組み込まれたもの。最優秀賞をとらずとも、どのチームの作品も番組に組み込まれる可能性がある(のかな?)と勝手におもっており、これからが楽しみです。

 

3つ目は、チーム構成。前回のハッカソンでは、予選を勝ち抜いてハッカソンに参加出来たチームのほとんどがチーム参加でしたが、今回はアイデアソンの段階から、新しい人と一緒にやることを推奨していたせいか、アイデアソンで作られたというチームが多くハッカソンに残っていたように思います。

チームビルディングを含むハッカソンのいいところの一つは、その場で出会った人と一つのアウトプットを生み出す過程で生まれる急速な一体感です。それを感じることができる人が増えたこともよかったと思えることの一つでした。

 

ただ、もちろん変わらないものもたくさんあります。かわっていないものの一番は、やはり参加者の楽しそうな笑顔ではないでしょうか?昨年に負けず劣らず、みなさま楽しそうでした。

 

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