歌あり!演奏あり!一流のミュージシャンと一緒にハッキングする「MUSICIANS HACKATHON 2016」
2016.07.19
MUSICIANS HACKATHON
エンジニアだけのハッカソンと全然違う!
一流の音楽家、サウンドプロデューサーがチームに加わる他では味わえないハッカソン
7月16-17日(土-日)に行われた、エンターテインメントに特化したグローバルなIT サービスのコンペティション『START ME UP AWARDS』実行委員会が主宰するハッカソンイベント「MUSICIANS HACKATHON 2016」の運営協力してきました。
テーマは「新しい音楽の価値」。今回は総勢12名の「音楽家」の方と、約20名強のエンジニアやデザイナーの方が集まり、土日の2日間で8作品が開発・発表されました。
このハッカソンの特徴はなんといっても、一流の音楽家、サウンドプロデューサーがチームに加わり、一緒に作品を作るということ。今年で3年目になります(2014年|2015年)。
過去には、為替相場のデータや脳波で楽曲を作ったりなどもありました。
エンジニアだけで行われるハッカソンとは、雰囲気や作品がひと味もふた味も違います。
即席で曲を作ったりアレンジしたり歌ったり。
ハッカソンのいいところの一つは、自分にはないスキルをもった人とチームを組むことで、一人では作れない作品を作ることができ、作品の幅が広がるところです。
この「MUSICIANS HACKATHON」は、異業種の人とのハッカソンということで、凸と凸というmashupだけでなく、凹と凸という領域が違うmashupがあり、いつもとは違った幅が生まれます。
そんなハッカソンでは、どんな作品が作られたでしょうか?
今回の最優秀賞は、こちらの審査基準を元に3名の審査員の方にお願いしました。
①アイデア②完成度③デザイン
左から
・藤本 健氏:DTMステーション 編集人
・石川 真一郎氏 :株式会社ゴンゾ 代表取締役社長
・鈴木 貴歩氏 :パレードオール株式会社 代表取締役 / エンターテック・アクセラレーター
それでは、今回のハッカソンで作られた作品を、最優秀作品から紹介していきたいと思います。
▶発表作品
最優秀賞は、10月30日(日)に行われるデジタルコンテンツExpoにて発表の権利を獲得できます!
<最優秀賞>
hacklog.jp/works/48052
フリー、シェアウェアの「UTAU」を使って、実際のボーカルデータからマシンラーニングをさせ、自然な声に近いボカロを生成します。デモでは小南さんのオリジナルデータを取得し、解析したものをボカロで歌わせ、見事に自然の声に近いボカロが完成していました。
↓デモ動画。この歌、ボカロで再生しています。とても自然な声に聞こえませんか?
【MUSICIANSハッカソン】#MA12
こっちがボカロバージョン pic.twitter.com/QUhNHQFNFH— Mashup Awards (MA) (@mashupaward) 2016年7月18日
続いては優秀賞です。
優秀賞に事業性を評価され選ばれました。事業化を希望する場合、『START ME UP AWARDS』の書類審査が免除されます。
<優秀賞>
②Streeporter
あまり有名ではないストリートミュージシャンが、投げ銭をしてもらいやすくなるサービス。
アーティストがストリートで演奏する際、位置情報を付けてみんなに知らせることができます。また、バーチャルで投げ銭できたり、コメントを付けられたりもします。
優秀賞おめでとうございます!
プロトタイプまではできてなかったみたいですが、アイデアがとても評価されたこの作品。
その場でフリックすることで投げ銭でき、アーティスト側のタブレットか何かが光るなど、その場のインタラクションがあってもおもしろいというコメントもありました。
⑥SYNCEE by AIBEE
同時刻に同曲を再生しているユーザーを見つけ、1対1のチャットを実現するアプリ。曲が終わるとチャットは強制終了します。話したい目的でずっと同じ曲を聞き続けるかも?!
優秀賞おめでとうございます。
時限設定やチャットなど、機能だけをみればエンジニアの人がおもいつきそうなアプリ。ただ、アーティストが「今からこの曲聞くよー」ってつぶやいたら、そのアーティストとチャットしたいファンの人が一斉にその曲を聞き出すかも?といった利用シーンなどを聞くと、アーティストとエンジニアの融合された作品だなーっと感じた作品でした。
是非がんばって完成させ、『START ME UP AWARDS』に応募してみてください。
続いて、今回発表された作品を全てご紹介したいと思います。
リアルタイムでボカロでアカペラ。上唇と下唇につけたマーカー(河童です)を認識してボカロが反応。ドラムを叩くと「チッ」っという舌打ちのボイスパーカッションが鳴ります。
【MUSICIANSハッカソン】#MA12
1チーム目のデモ演奏 pic.twitter.com/i6TMMGKbfz— Mashup Awards (MA) (@mashupaward) 2016年7月17日
pptだけのプレゼンでした。せめてモックは欲しかった。
【MUSICIANSハッカソン】#MA12
4チーム目。特別ライブ。 pic.twitter.com/4AdJf77VEC— Mashup Awards (MA) (@mashupaward) 2016年7月17日
プロトタイプができていませんでしたが、小南さんが歌うことで作りたいもののイメージはわかりましたw。即席で歌詞を作ったり曲のアレンジしたり歌ったり、すごい!
⑤Puppet Sound! by TEAM NORO 3
指人形は「Family」「Animal」などのテーマがあり、指を動かすと家族の呼び名や、動物の鳴き声が聞こえるので、知育玩具としても活用できます。
⑧ミュージックプラネットby ALT+MUSICIANS
ARマーカーやGPSなどを利用して、場所に音楽をプロット。過去にその場所で聴いた音楽なども配置したり、これからいく場所に音楽をおいておいたりできます。
例えば、ライブ会場まで音楽を提供しながらナビをするなど。HMDを使うことで、現実に今聴いている楽曲の歌詞やナビゲーションを表示。マーカーは現実にある看板などを利用。
とにかく『Pokémon GO』に触発されてできた作品。2年前はIngressに触発されて「ミングレス」を作った方が、「位置情報×音楽」で再チャレンジ!
以上が、今回作られた作品になります。
▶イベント風景
最初にキャプテンの浅田さんから今回参加されるミュージシャンのみなさまをご紹介いただきました。
参加頂いた音楽家の方
参加ミュージシャンにはキャプテンの浅田祐介氏を筆頭に、浅岡 雄也氏、伊藤 涼氏、江夏 正晃氏、小南 千明氏、島野 聡氏、NORO氏、水島 康貴氏、Mili氏、Morio Tkashi氏、hanawaya氏、渡部 高士氏の12名。
続いては、サポートいただくAPIの説明です。
①AITalkWebAPI・・・より人間らしく自然な音声で自由に音声合成をすることが可能な、高品質音声合成エンジンのAPI。
②The Cell Music Gear (CMG)・・・やわらかい表面を持つ3Dタッチパッド。基本動作はパッドの押し込み量を音程・音量の変化にマッピングしMIDI信号として出力します。
お触りタイムでは、CMGにみんな興味しんしん。
アイスブレイク、アイデア出しなどが終われば後はハッキングタイム。
アーティストの方は楽曲作りなどもしています。
今回はオールナイトで会場を解放したので、徹夜組何人かしました。(レッドブルの差し入れ)
2日目になるといろいろと小道具が持ち込まれ、さらに楽しそうな雰囲気に!
音楽家の方も楽しそう!(この方、SPEEDの全楽曲をアレンジした有名な音楽家の一人です。)
ハッキング終了時間に近づくと、アーティストとエンジニア関係なく仲良くなってますね!
そして早速発表です。発表では即席ライブもあるのが「MUSICIANS HACKATHON 」!
(小南さん、いつも素敵な歌をありがとう!)
発表が終われば懇親会です!かんぱーい。
懇親会では、作った作品を審査員や他のチームが試す姿も!
最後はみんなで集合写真です。お疲れ様でした!(いえーい!)
蛇足
やっぱり、異業種の方とのハッカソンはいいですね。
ハッカソンとは縁遠いミュージシャンの方が、エンジニアと同じ目線でモノづくりをしてくいる姿は、エンジニアだけのハッカソンにはない空気感があります。
人によって好き嫌いはわかれるとは思いますが、きっと他のハッカソンにはない、気付きや学びがある気がします。
そして、音楽家の方って底抜けに明るい方が大きがします。だから全体的な雰囲気がとっても明るくて賑やか。(集中したいエンジニアの方にはうるさいかもしれませんがw。)
その点も他のハッカソンとは違う点かもしれませんね。
今年で3回目になる「MUSICIANS HACKATHON」。第1回目の際に参加された音楽家の方が、Ingressに触発されて作った「ミングレス」にもう一度チャレンジしたくてきたと言っていたのがとても嬉しかったです。(ミングレス開発担当エンジニアの中西さんが今回いなかったのが残念orz)