スマートゴミ箱に、自動窓、そして筋トレしないとネットができないローラーなど、ここで作られた作品の多くが2ndSTAGEに勝ち上がってくる気がします。
シルバーウィークに福井で行われたハッカソン【ハッカソン@福井】ハジメテノIoTとAPIでMashup!のレポートになります。
人数は少なかったものの、さすがの福井。発想と実装力がすばらしく、とても見応えのある作品ばかりの発表となりました。珍しく「伴野賞」が2つもでました!審査員の堤さんも
「少人数でしたが、その分議論が多く出来てよかったとも思います。」
とコメントくださったように、作品についてのアドバイスもたくさんでて、中身の濃いハッカソンになった気がします。
それでは、今回のハッカソンで作られた作品を、最優秀作品から紹介していきたいと思います。
■発表作品
まずは最優秀作品からご紹介です。
①作品名:PaTRASH/ チーム名:フランダース
ゴミの量と天気でゴミを出す日を教えてくれるスマートゴミ箱
hacklog.jp/works/48294
ゴミが入ったりなくなったタイミングで、ゴミの量や天気情報や湿度を加味してBoccoがゴミ出しの日をアドバイスしたり、ゴミ箱の気持ちを代弁します。
例:明日が雨の場合→「ゴミがたまってきたよ。明日雨みたいだから、夜のうちにだしたほういいかも」
例:湿気が高い時→「ジメジメしてるからカビがはえるかも。はやくゴミをだしたほうがいいよ」
【ハッカソン@福井】#MA_2016
2チーム目 雨の日の前にゴミ箱がいっぱいになってしまったデモ pic.twitter.com/GsJV5cnWht— Mashup Awards (MA) (@mashupaward) 2016年9月25日
審査員の方からは、「Boccoの遅延があるので、PCで成功するようにバックアップ手段を準備しているのがすばらしいです」と発表スタイルについても褒められてましたね。
また「ゴミの日などとも連動させてバリエーションを持たせるといいかもしれないですね」と、バージョンアップの提案も次々とされており、進化を期待しての最優秀賞となったようです。バージョンアップ期待しています!
個人的には、スマートゴミ箱の作品で、ゴミの高さを検知するパータンは多く、それはゴミ収集車の場合に役立つ気がしています。家庭用ゴミを想定するのであれば、アドバイスにもあったように、ゴミを出す日と連動されていたら他では見たことがないし、「次の生ゴミの日までには臭くなるから今日捨てたほうがいいよー。」なんていわれたら、個人的にも魅力的だと感じました。
今回の最優秀賞は、以下の項目を基準として審査いただきました。
①アイデア:独自性、新規性、優れた着眼点、発展可能性
②完成度:2日間の努力が反映されているか
③デザイン:芸術性、優れた表現技法
今回審査いただいた審査員のみなさまです。(暗くなっちゃってすみません。)
・山西 輝也氏 /福井工業大学 経営情報学科 教授 博士(学術)
・清原 智和氏 /株式会社クルウィット 北陸副支社長
・堤 修一 氏 /フリーランスiOSエンジニア
惜しくも最優秀賞は逃しましたが、他にも素敵な作品がたくさんありました。伴野さんがめずらしく2つも個人賞を出していたぐらいです。
各企業の独断と偏見で決定する「企業賞」を獲得した作品もあります。
①作品名:あんぶぁれれれ… /チーム名:僕の傘を護り隊
僕の傘の居場所を教えてくれます
hacklog.jp/works/48296
傘って無くなったり、忘れてしまったりしますよね。そんな時にどこ行ってしまったのか教えてくれるサービスです。将来的には傘のロック機能や、傘本来の機能を邪魔しない程度の小型化にしたいと思っています。
審査員からは「盗人野郎には手痛く攻撃するとオレ的にスカっとするからそういう機能搭載するといいんじゃね?」と過激なアドバイスが!(でも面白い)
こちらはkintone賞を獲得しました。おめでとうございます!
③作品名:Internet of Tairyoku /サービス名:体力による快適なインターネット生活
ローラーを使って筋トレしないと動画がみれないというサービス
hacklog.jp/works/48293
MESHの動きタグの向きを、カスタムタグを通じてサーバに送信します。 サーバで向きの変化からローラーの回転量を算出しネットワークの通信量を制御します。
つまり、筋トレしないとネット禁止!ということができます。
↓筋トレすると通信800kbほどゲットできるデモ
【ハッカソン@福井】#MA_2016
3チーム目
筋トレすると通信800kbほどゲットできるよ! pic.twitter.com/m3BOcd36kr— Mashup Awards (MA) (@mashupaward) 2016年9月25日
審査員からは「運動をしない僕みたいな人に、インターネットしたいなら運動させるのはとてもいい。 」と大好評。
こちらは伴野賞を獲得。賞品は今回利用したMESH!(継続して開発して応募してねー)
④作品名:自動の窓 /チーム名:YKKAP
天候や災害情報などに応じて、自宅の窓を自動で開け閉めします。
hacklog.jp/works/48292
myThings経由で天気情報を取り込み、開いていた窓も雨がふりそうなら自動で閉まります。天気情報はiPhoneアプリからhttpでポーリングし、Bluetooth経由でkonashiが窓をオープンクローズドしています。
ゆくゆくは、地震があったら窓オープン&カーテンクローズなども想定。
↓自動で窓が動くデモ
【ハッカソン@福井】#MA_2016
4チーム目
デモ!konashiでモーター動かすよ pic.twitter.com/jYlRV4I1DD— Mashup Awards (MA) (@mashupaward) 2016年9月25日
審査員からは「単純に窓がスマートフォンで開け閉めできるだけでほしいです。アタッチメント方式で窓を開閉できるものがほしい。」
「ハッカソンでこれだけの材料を集めてこのプロトタイプを作成したことにすごく感銘をうけました。」
ヤフーの山本さんからは「JawboneUPと連想させれば、眠ったら窓を締めるなんてこともできますね」というアドバイスも。
こちらの作品はヤフー賞と伴野賞を獲得しました。山本さんのアドバイスをうけ、伴野賞はJawboneUPを学生2人にプレゼント!
⑤作品名:あしすたんとスケジューラー
通知を無視させないサービス
hacklog.jp/works/48291
グーグルカレンダーから予定を取得し、1時間前、30分前、15分前にやる気が出そうな通知(美人の画像やネコの動画)を送信。
・美女の画像が載っている通知→タップすると美女の詳細に!
・猫が載っている通知→タップすると猫の動画に!
無機質な通知だとスルーしてしまいますが、予定に対して自分は一歩前進していると脳をだまし、スケジュールを無視させないというギミックw。
【ハッカソン@福井】#MA_2016
5チーム目
やる気を出すには猫動画だ!のデモ pic.twitter.com/f7PEMCi1ui— Mashup Awards (MA) (@mashupaward) 2016年9月25日
審査員からは「着眼点がすごくいい。通知がきてもなんとも思わない。自分でいれたものがでてくるだけだと脳が刺激されないから、予定調和でなくなるところがすごくいいです。」と絶賛。
個人的にも、人間の本能的なところをサービスに取り込んできたロジックはさすがだなーっと思いました。発想が単純じゃないところがとても好きな作品です。
こちらの作品はDataSpider賞を獲得しました!
最後はエキシビジョンとして、ヤフー山本さんの作品発表。
サイコロにMESHを貼り付け、サイの目のお題をボッコがつぶやきます。コミュニケーション能力は社会人としてとても大切で、その力を向上させるアイテムとの導入部分の説明からもう楽しそうw。
【ハッカソン@福井】#MA_2016
6チーム目
山本さんのデモ1 pic.twitter.com/UIowNX2kwR— Mashup Awards (MA) (@mashupaward) 2016年9月25日
その解決デバイスとして「KOSAKAI」も開発。そしてそのデモはこちら
【ハッカソン@福井】#MA_2016
6チーム目のデモ
山本さんコサカイデバイス pic.twitter.com/oknecwCisc— Mashup Awards (MA) (@mashupaward) 2016年9月25日
こちらの課題も、間が持たないことw。
発表された作品は以上です!
って思ったら、遠隔での参加者が動画を送ってきた。
その動画がこちら!
【ハッカソン@福井】#MA_2016
最後のエキシビジョン pic.twitter.com/davSNqhRxs
— Mashup Awards (MA) (@mashupaward) 2016年9月25日
以上、5作品+2作品の発表が行われました。
■イベント風景
達筆な字でみなさまをお出迎え!
まずは簡単にMashupAwards2016についての説明です。日本最大級のアプリ開発コンテストだよ。今回のハッカソンは予選にあたるので、最優秀作品は準決勝に進むことになります。
<インプットタイム>
続いては、今回のハッカソンでサポートいただける技術のインプットタイムです。
・myThings(ヤフー株式会社)
さまざまなサービス、デバイスの
APIを共通のI/Fで束ねるサービス連携プラットフォーム
・kintone(サイボウズ)
データベースやワークフローのプロセス管理などに利用される、チームワークプラットホームですが、ハッカソンでは、フロントエンドとしてもデータベースとしても利用できます。
・DataSpider(アプレッソ)
GUIでの直観的な操作のみで、様々なデータやシステムを「つなぐ」ことができるソフトウェア
そして、参加者それぞれが持ってきた素材のPRタイムです。みなさま、テーマがIoTということでいろんなものを持ってきてますね。
事務局からもMESHや各種センサーを持ってきたので、APIの質問タイムとあわせて、お触りタイムです。
<チームビルディング>
まずアイデアだしから。そのアイデアをもとにチームを組んでいきます。
みんななかなか譲ることができず、ぼっちソンが2組できあがりました。
<ハッキングタイム>
今回のハッカソンで作るアイデア宣言が終われば、あとはモクモクタイム。
最年少の中学生のアイデアのもとに集まったこちらのチームは、めちゃ若い!
プログラムは学生に任せ、おじさんは買出しやプロトタイプの窓枠作りに専念。
そしてサポートを受けながらモクモクタイムです。
2日目から参加の強者もトレーニング用具を持ち込み、ぼっちソンテーブルに参加。
早速何か作り始めています。
こちらのチームはプリンタ持ち込みです。ダンボールで工作中+ハード部分もわかりやすく貼り付けてます。
こちらのチームはきれいに役割分担できてますね。プロトタイプ用の窓枠が出来上がってきた!
ぼっちチームは一人で全てこなさなければいけないため、ギリギリまで質問してました。
今回はみんなでこの検証を手伝っていた(遊んでいた)気がしますw。
あと1時間!追い込みです。
そして発表の時間。審査員の質問などにも答えながら、発表は続きます。
発表が終わったら懇親会。参加者である中西さんお手製の燻製も!
今回作った作品をみんなで触ってみるtouch&tryもするよ。
山本さんもどこまでmyThingsを使いこなしているか確認中。
touch&tryで試させてもらったんですが、窓の開閉とiPhoneのアニメーションが連動されてるんです!!すごい!!(こういうことはプレゼンで話さないとだめだよ!)
【ハッカソン@福井】#MA_2016
窓の開閉とアプリのアニメーションが連動してる!
すげー pic.twitter.com/nzW4L6YUu0— Mashup Awards (MA) (@mashupaward) 2016年9月25日
最後は結果発表です!珍しく伴野賞を2つも提供!?
審査員のみなさまからも講評をいただきました。最優秀賞は自動の窓と接戦だったみたいです。
そして、堤さんのこの一言。
「この中でブログ書いている人いますか?今回、2日間かけてせっかく作ったので、難しかった点などについてブログに残してみてください。」
いいですね。みんながんばった軌跡をブログに書いて残してね!(それが次に活きるかも?)
最後は集合写真です!みんなお疲れ様でした!
やっと作品応募はじまりました!Hacklog登録だけでは応募にならないので、応募ボタンをおして、ちゃんと応募してね。
→https://ma2017.we-are-ma.jp/
イベント関連リンク
こちらをみていただくと、イベントの盛り上がりがより伝わるかと思います!
・つぶやきまとめ http://togetter.com/li/1028858
・イベント写真 https://www.flickr.com/photos/100125183@N08/albums/72157673139330132
・関連ブログ
┣Internet of Tairyoku で MESH をお持ち帰りした /ナチュラル @rch850
┣Mashup Awards 2016の一次予選である【ハッカソン@福井】ハジメテノIoTとAPIでMashup!でkintone賞を受賞しました /29lab.log
┗少しのチャレンジと、いつもの狂気と/コトブログ
蛇足
福井はやっぱりレベル高いですね。審査員のコメントに対して「アイデア段階ではその意見もでましたが、今回はハッカソンという短期間なので○○することに集中しました」という回答がちらほらでてましたね。
今回はハッカソンという短期間勝負でしたが、MashupAwardsに勝ち上がるにははハッカソンとは別の勝ち方になります。
アイデアは面白かったので、ここからのバージョンアップが勝負になってくると思います。みなさまの作品がどのようにブラッシュアップされてくるのか楽しみです。
個人的には、今回の作品の中では「自動の窓」がお気に入りでした。窓を開けて家を出た後に雨が降り、心配した経験数知れず…。また、山本さんのアドバイス機能(寝たら窓が開く)という機能がついたら、夏にエアコンのタイマーが切れても寝苦しくならなそうだなーっとー、個人的にとても欲しいなぁと思いました。
是非、今回もらった「JawboneUP」とつなげて実装し、応募してもらいたいです。
これが中学生と高校生の作品というのが、またすごいっすね。
私の経験上、人数が少ないハッカソンほどいい作品が生まれる傾向になるのですが、今回もその例にもれず、今後を期待できるいい作品ばかりでした。