Io(A)T部門を制したのは、MA元最年少ファイナリスト率いるあのチーム!

Mashup AwardsではMA9より、その多様性を広げるために様々な部門賞を準備してきました。みごと最優秀賞(部門賞)を受賞したチームには、副賞として賞金10万円と、さらにMA2016の決勝であるMashup Battle Final Stageに進出できるシード権が授与されます。

今回はその部門賞の一つを決めるプレゼンテーション・バトル。「イケてるIoT作品(Internet of Awesome Things)」が競い合うIo(A)T部門賞の決勝は、魔法のように利用できるリモコン、IoT便座、トマトをペットにする作品など、オンライン審査で選ばれた合計9作品のプレゼンテーションが行われました。
デザイン・技術・着眼点など、どのチームも非常にレベルが高く、激しい争いとなったIo(A)T部門賞の決勝を、早速レポートします。
なお、Io(A)T部門の応募基準は、IoTと定義される作品であれば何でも可。過去に発表された作品でも応募が可能。その他はMashupAwardsの基準に準拠するものとなっています。

※MashupAwards2016のInternet of Awesome Things 部門賞(by IoTLT)はIoTLTさんにパートナーとして参加頂いております。

 

審査員紹介

今回、Io(A)T部門賞の作品を選出する審査員として、以下4名の方々にお越し頂きました。

  • 渡邉 仁史氏/DMM.make AKIBA
  • 関根 修二氏/ 株式会社ビームス 社長室 宣伝広報統括本部 デジタルコミュニケーションマネージャー
  • 高萩 昭範氏 /株式会社Moff代表取締役
  • 菅原 のびすけ氏/ dotstudio株式会社 代表取締役

※ 写真左から渡邉氏、関根氏、高萩氏、菅原氏

なお、Io(A)T部門の審査基準は以下の4点です。

 

それではTOP2に輝いた作品からご紹介します。

■作品紹介

<Io(A)T部門賞>
■作品名:MagicKnock with MagicTV/チーム名:masuilab

魔法のように、あらゆるものをノックでコントロールできる実世界指向インタフェース
http://hacklog.jp/works/49920
リモコンは、「ボタンが多すぎる」「すぐなくす」「リモコン自体が多い」などなどあまりに不便!
これを、魔法のように、ノックをするだけで制御したい!開発したのは、テーブルに設置するだけで使える小さなデバイスです。通信はBLEを使用。フルカラーLEDを搭載して、光フィードバック。ノックの強弱を識別して2種類の信号を制御します。

このデバイスを使えば、テレビのチャンネルを変えたり、音楽をかけたり、家電を操作して照明を消したりできます。設置場所次第で足踏みでも操作可能とのこと。
通常の状態では電源はOFF。起動すれば電源が入って使用可能になり、一定時間経過で自動シャットダウンします。

ノック操作で会場にBGMが流したデモはこちら

 

そして、みごとIo(A)T部門最優秀賞を受賞!おめでとうございます!!

Io(A)T部門賞を受賞したmasuilabには副賞賞金10万円と、そしてMA2016の決勝であるMashup Battle Final Stageへの切符が授与されました!

 


続いて、次点となった作品をご紹介。

■作品名:トイレの神様/チーム名:烏枢沙摩(ウスサマ)
便座デバイス+見守りAIからなるIoTトイレ
http://hacklog.jp/works/48197
「個室ゆえに他人が入れない」「プライバシーゆえにカメラも入れない」といった、テクノロジーが入り込みにくいトイレについてのいろんなお悩みを、IoTとAIの力で解決するデバイス!(ウケ狙いではなく大真面目に取り組んだトイレIoT作品です!)

旦那が毎回便座を開けっ放しにすると便座がしゃべって教えてくれる、お年寄りが長時間座っていると「大丈夫?」と教えてくれてランプの光で警告もしてくれる、便座への重みのかかり方の個人差で家族の誰が使っているかを特定してくれる(実証実験済み)、などの機能を搭載。
他にも、出勤前にニュースや天気やその日の運勢を教えてくれたり、極めつけは、紙がなくなったらまわりの知り合いにメールしてくれたりします。

トイレにずっと座り続けていると(例えば身体の弱ったおじいさんなど)ライトが黄色に変わるデモ。(途中でしゃべっている言葉は関係ないですw)

「プライベートな空間であるにも関わらず、技術で個人をできることは様々なビジネスの展開につながりうる」として、審査員からも好評。みごと2位に入りました。

 

また、なんと今回、TOP2入りした作品に対して、DMM.make AKIBAの渡邉氏から「DMM.make AKIBA 1日利用券」が授与されました!

 


続いて、今回プレゼンテーションをした他7作品をご紹介。

■作品名:Kobots コネクト・カスタマイズ・ロボット/チーム名:Ktrips 吉田 顕一
iPhoneとLEGOとコネクトしてカスタマイズできるロボット
http://hacklog.jp/works/48379
組み合わせでカスタマイズできるロボット。映画ベイマックスにインスパイアされて、子どもでも誰でも使えるように作られました。
タブレットに手書きで記号を書き入れると、ロボットが認識!しゃべりながら、料理やダンス、掃除だってできます!他にも、エアコンを動かしたり天気予報を教えてくれたり。
インターフェイスとしてはタブレット以外にも、頭につけたMESHや腕時計型デバイスから動かすことが可能。将来的にはKickstarterに出品することも検討しているのだそう。

タブレットの画面上のどこに入力されたかを認識して動くデモ

頭にMESH付けた人はじめてみましたw

 


■作品名:OTON GLASS/チーム名:OTON GLASS
読む能力を拡張するウェアラブルデバイス
http://hacklog.jp/works/49832
画像認識をして音で読み上げるウェアラブル端末。開発のきっかけはお父さんの脳梗塞の後遺症で失読症(ディスレクシア)になられた経験からとのこと(現在お父さんはほぼ完治!よかった!)。
現時点では全部の文字を認識できているわけではありません。手書き文字などのノイズある文字は機械には難しく、そこは人間がやっており、ハードウェア上で機械認識か人間認識かをモード切替できるように開発中。
現在はRaspberry Piをハブ端末として有線接続していますが、いずれは無線化したいとのこと。
現在はR&Dフェイズ。既に投資を受けており、製品レベルまで持っていったのちにクラウドファンディングなどに出品したい、とのこと。

映像ではなく画像をネットに飛ばして解析

ユーザーテストの反応も上々とのこと

 


■作品名:Physical User Interface/チーム名:うぇぶもんず
Webの情報をもっと実世界に。汎用的に使える実世界ユーザインタフェース
http://hacklog.jp/works/49842
開発者はMA10では”Twinkrun“で優秀賞を受賞した経験者。
今回のプロダクトは、たとえば「正しい長さ・太さのねじをみつけ、そのねじを取る」「正しいドライバーを見つけ、そのドライバーを選ぶ」といったことが可能な、”フィジカル・ユーザー・インターフェイス”の考え方を提案するデバイス。
「フィジカル・ユーザー・インターフェイスの考え方のサービス/デバイスが、もっと広がっていろんな人が使っていってほしい(そうすることで様々な組み合わせが広がっていく)」、とのこと。

中にはWebmoが入っています。

デモはこちら

 


■作品名:Weather Drip/チーム名:UXTED チーム具
その日の天気予報をラテアートで知らせてくれるIoTラテアートマシン
http://hacklog.jp/works/48897
朝、ディスプレイや音声ではなく、ラテアートでその日のお天気を知らせてくれるデバイス。これを通して忙しい現代人に新しいライフスタイルを提供したい、とのこと。
天気は晴れ、くもり、雨、雪、雷、などが表現でき、デバイス側に指示がいくと、型がくるくると動き、ラテアートを書くことができます。
現在はプロトタイプだが、ゆくゆくはステンレス製などかっこいいデザインを考えたいそうです。

晴れマークのラテアートができた!(今回はココアパウダーを使用)

 


■作品名:ネコシッターロボ「ネコロ」/チーム名:Code for Cat
IoTを活用した安全安心のネコシッターサービス。外出中でもネコと遊べます。
http://hacklog.jp/works/48832
保護猫の一時預かりをしている際などに外出すると、留守中に遊んであげる人がいなくて心配(まさに猫の手も借りたい)。そんなネコシッターたちの悩みを解決するロボット。「ネコロ」は「フワフワ」と「コロコロ」の2種類で構成され、いずれもSpheroが中に入った毛玉型デバイス。
こだわりポイントは「飼っている猫と同じ毛色であること」「片手に乗るサイズ(でももっと小さくしたい!)」「ごはんやつめとぎなど、猫の行動を連想させる動き」の3点。

「フワフワ」と「コロコロ」の2種類を提供

発表中、床ではコロコロが転がってました。

 


■作品名:リアルいいねボタン/チーム名:チームお静
自分の「いいね!」と思った場所を、好きなアプリにアーカイブできるボタン
http://hacklog.jp/works/49134
飲みに行ったお店が気に入ってまた行きたいとき、Google Mapsにお気に入りするのか、食べログに登録するのか、メモアプリを使うのか、悩むしめんどくさい!そんな悩みを解決するデバイス。
使い方は、いいね!と思った瞬間に手持ちのボタンを押すだけ。ボタンを押すと予め選択したアプリ(Facebookなど)に位置情報を投稿。さらに、押した強さで投稿内容も変更可能。光フィードバック機能も搭載。食べ物屋さん以外にも、絶景スポット、美容スポット、写真スポットで使用可能です。

「いいね」を押すと、光り、Slackにも投稿されるデモはこちら

 


■作品名:とまとの気持ち/チーム名:Green Garage
トマト×AI=ペット?!会話しながら水耕栽培。AIでトマトをペットにする作品。
http://hacklog.jp/works/48629
リビングで水耕栽培されたトマトにガジェットを設置し、Slackbot経由でトマトと会話したり、成長度合いを画像認識することでトマトかただの野菜かを判別したりできる。加速度センサーで気泡がはじけるのを捉え、枯れそうかどうか判別するなどの機能を実装予定。

トマトの成長度合いを判別したり、Slackでお話したり・・

話しかけたら、トマトが答えてくれるデモはこちら。レシピなども教えてくれるよ

植物の状態を知り、状態によって水を自動的にやるなどの作品はよくありますが、こちらの作品はそういった作品とは違います。植物の状態を人格として利用し、ペットのような存在にして癒やされるのが目的。今年ハーブを育てていた私にはこの気持とても良くわかります。家で育てている植物ってほんとペットみたいなんですよね。

 

Io(A)T部門の発表作品は以上です!

 

プレゼンテーション後は、Touch and Tryでみんなの作品を触ったり質問したり。
(参加者同士のTouch and Tryが盛り上がってなかなか懇親会が始められなかった・・!)

雨の日のラテアートもだしてもらったよ!

「Physical User Interface」の中はこんな感じ!仕組みなども見せてくれるからみんな興味津々。

そして懇親会へ!ビール片手に審査結果を待ちました!(間違って注文したエッグタルトが大人気)

 

■審査発表

そしてとうとう審査発表です。最初に上位2作品を発表し、最後に最優秀賞一つを発表するというスタイル。
最優秀賞は、あらゆるものをノックでコントロールする「MagicKnock with MagicTV」でした!
おめでとうございます!

最後に審査員のみなさまから講評をいただきました。
・渡邉 仁史氏 / DMM.make AKIBA
「(最優秀賞について)操作性が素晴らしかったです!」

・関根 修二氏 / 株式会社ビームス 社長室 宣伝広報統括本部 デジタルコミュニケーションマネージャー
「(最優秀賞について)実際に生活の中で使えるのかな〜と思う決め手になりました」

・高萩 昭範氏 /株式会社Moff代表取締役
「私たちの会社もハッカソン発のプロダクトで、完成度高くてビビりました!個人的なお気に入りとしては、会社ではUser Interfaceを変えるのと、データからその人の能力を推測という観点が個人的には好きで、上位2位はドンピシャ!」

・菅原 のびすけ氏 / dotstudio株式会社 代表取締役
「僕も去年一昨年と作品出す側でしたが、本当に完成度が高いな〜と思って見させていただきました。個人的にはKobotsさんが好きで、教育向けコンテンツでできればと。デモがうまくいかないのもあるあるで笑、楽しかったです!」

 

当日のイベントの雰囲気や盛り上がりは、是非Twitterのつぶやきまとめと写真もご覧くださいね!

・つぶやきまとめ http://togetter.com/li/1052890
・イベント写真 https://www.flickr.com/photos/100125183@N08/sets/72157675434514292

皆さん、本当にお疲れ様でした!

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今回のレポートは、当日のTwitter中継もお手伝いいただいた「谷口正樹さん」に書いていただきました。
素敵なレポートをありがとうございます。

 

蛇足

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IoT部門決勝レベル高!今回レベルが高かったこともあり、オンライン審査やテーマ賞などの他の道で準決勝でもある2ndSTAGEに進んだ作品も多いもよう。
そんなレベルの高いIoT部門賞を制したのは、なんとMA8の際に最年少ファイナリスト(当時高校2年生)に輝いた伊藤さんのチーム。「なつかしい!」っというひともチラホラ。
現在は大学生ですが、学生部門賞ではなくIoT部門賞に応募してくるところに作品に対しての自信が伺えます。そして、堂々の部門賞制覇。4年ぶりの決勝進出です。

そして2位に輝いた「トイレの神様」の中で、審査員を一番唸らせたのは、個人特定の仕組み。
便座の裏にセンサーをつけているのですが、便座への重みのかかり方(背の高い人は後ろに体重がかかり、背の低い人は前に体重がかかるなど)で、家族ぐらいの人数であれば、個人を特定できるとのこと。これらは、何人ものデータを検証して得た知見。
トイレの便などで健康を測るという作品はよくあるものの、「誰の便なのか?」という問題がいつも付きまとうので、「これで個人が特定できたらすばらいいことだと思います!」とアイデア部分に惚れ込んだ審査員もいました。

MashupAawrdsの開発者は、あまり事業性など考えずに作品を作ります。自分の目指す世界に近づくために、実装します。その中には、本人も気づかないとてもすばらしいアイデアが入っていることも多々あります。
「部門賞決勝」は、その分野に知見の深い審査員の方に作品を見てもらうため、開発者自身も気づかない作品の素晴らしい点を発見してもらう、とてもいい機会なのではないでしょうか?
そんな審査員の方の言葉を受け入れて、次回のプレゼンに活かすと(ついでに作品ページも更新すると)、もしかしたら新しい道が開けるかもしれませんね。

決勝へのシード権をかけた部門賞では敗れてしまった作品もまだまだ最優秀賞をとるチャンスはあります。
昨年の最優秀賞作品は、部門賞では一度敗れていた作品でした。
一昨年の最優秀賞作品も、ハッカソンで一度敗れていた作品でした。
今回最優秀賞をとった作品と再度同じ舞台で戦うため、準決勝、決勝と作品をブラッシュアップさせ、リベンジしましょう!

 

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