参加者から名言でました。「イノベーションは笑われる!」

12月5日(木)にInteractive Design部門賞の決勝が開催されました。この部門賞は、「作品に触れた人の心を揺さぶり、クリエイティビティを触発する、アートとテクノロジーが高い次元で融合された体験を提示する作品」を求めました。
そんな部門賞に応募された54作品の中から、オンライン審査を経た合計9作品がプレゼンテーションとデモで競い合いました。

最優秀賞(部門賞)を受賞したチームには、副賞として賞金10万円と、さらにMA2016の決勝であるMashup Battle Final Stageに進出できるシード権が授与されます。

※MashupAwards2016の学生部門賞はTMCN & spiceboxさんにパートナーとしてご参加頂いております。

審査員紹介

今回、Interactive Design部門賞賞の作品を選出する審査員として、以下3名の方々にお越し頂きました。

    • 松川 進氏/リクルートホールディングス MediaTechnologyLab、UX Sketch主催
    • 土佐 信道氏/明和電機社長
    • 中田 裕士氏/電化美術 CTO、総合家電メーカー 課長


※ 写真左から松川氏、土佐氏、中田氏

なお、Interactive Design部門賞の応募基準は「作品表現の中にインタラクション(環境の変化やユーザーの動作や行動によって反応する要素)が含まれる事」でした。

 

それでは、発表された作品をご紹介します。

■作品紹介

最優秀賞(部門賞)を受賞し、賞金10万円と、Mashup Battle Final Stageに進出できるシード権を手に入れたのはこのチームです。

<Interactive Design部門賞>
■作品名:おばけパズル/チーム名: おばけパズル
ひしめくOBAKEのパズルです
http://hacklog.jp/works/49194
たった11ピースのおばけの木製パズル。シンプルな曲線作られ、非接触給電回路を新規開発して目も光ります。裏表がわからないので、見た目以上に難易度高いです。
おばけパズルをしているおばけのアニメーションを作る人が生まれたり、新しい提案をされるなど、作品に触れた人の心を揺さぶり、クリエイティビティを生み出す作品とのこと。

実際に審査員のみなさまも触ってみます。

最優秀賞、おめでとうございます。

講評では以下のように評価いただいていました。
・完成度がずば抜けていた
・触ったら愛着が持てる素晴らしい作品
・楽しんで丁寧に作られているなというのが伝わってきた

 


続いて、今回プレゼンテーションをした作品を発表された順番にご紹介します。

 

■作品名:干渉する浮遊体/チーム名:干渉する浮遊体
美しい干渉縞を生み出すシャボン膜を浮かべ、その美しさと向き合うインスタレーション作品です。
http://hacklog.jp/works/48970
上空から降り注ぐシャボン玉がガラスの器の中に浮かび、それらの揺れや破裂に音と映像が呼応します。シャボン玉の美しさ、生まれてから消えるまでの微細な変化や儚さを空間全体から感じとることができます。
身の回りの自然のなかにもすごくきれいなものが隠れていることを知ってほしいとのことでした。

説明動画

審査員講評「是非実物を見たかった。そこにあるきれいな見えないものを見えるようにする、というのがすごい良い。好きです。 審査員間の話題からすると、音楽とか映像とかむしろいらなかった。シャボン玉に思いを馳せたかった。」

 


■作品名:ボールを投げてインクをぶちまけ!/チーム名:namaCream
物理的にボールを投げると、当たったところからインクがはじけるインタラクション
http://hacklog.jp/works/49964
ボールをなげて、壁にボールがあたるとインクがぶちまけられ、生き物がでてきます。赤ならてんとう虫など、インクの色の生き物がでてきます。また動く動物にあたると声がでる、色が重なるとレアキャラがでるなど、面白い仕掛けもあります。

デモ動画

touch&tryには設営間に合ったのでみんなでtry!

審査員講評「シンプルに盛り上がれる楽しさがあるんだろうな。ただ、スクリーンの雑な感じやシンプルがゆえのもう一捻り欲しかった。」

 


■作品名:Ping-Pong-Air/チーム名: ダムダム団
ハプティクスメインのVRで、オリンピックレベルのラリーを楽しめる魔法のラケットです。
http://hacklog.jp/works/48134
球がないけれど、ラケットに当たった感触を作り、素振りをしていてもプレイをしている感覚を味わえる作品。視覚情報を排除したVRを目指したとのこと。 

デモ風な説明

「言葉の届き方が3次会のワタミにいる気分です!」
「CEATECHの展示でみてすごくよかったのですが、プレゼン聞いてびっくりしてます。」
などなど、変化球的な審査員のコメントが多数で笑いをとる中、発表者から名言がでました。
「イノベーションは笑われるもの」

こちらの「touch&try」での風景を見ていただくと「素振りだけど素振りじゃないよ!」といっていた意味がわかるかも!?

審査員講評「ワタミ感は消えなかったが、、一緒にワタミに行きたい!って思えた。」

 


■作品名:AMAGUMO/チーム名:チームAMAGUMO
AMAGUMOは、天気に合わせて必要な雨具を降らせる雲型IoTデバイスです。
http://hacklog.jp/works/48937
人生さえ嫌になってしまうような雨から、みなさんを守ります。MyThingsとYahoo天気の連携から雨情報を取得し、必要な雨具が落ちてきます。雨降りそうなとき、出かける人を感知して、傘が降ってきます。

また、カサではなく、帽子、天気に合わせたクリーム、天気に応じた遊び道具(雨だとバスケットボール)を落とすという利用方法もあります!

傘が落ちてくる、コンセプトムービーのハイライト部分

審査員講評「バックトゥーザフューチャーのようなぜんぶやってくれる世界観の可能性を感じた。」

 


■作品名:妖怪クリーナーズ/チーム名:小坂崇之
現実のゴミを吸引することで仮想の妖怪を集めることができるシリアスゲーム(子どものルンバ化)
http://hacklog.jp/works/49317
実際に掃除機をかけると、ゲームの中の掃除機も連動して動き、「リアルでゴミを吸引できたらポイントになる」という形をとることで、お掃除ゲームを子供がすすんで行うようになるという狙いの作品。掃除機をうごかした領域や、集めたゴミに関しても可視化し、走行スピードも計算しています。畳の目にそって掃除機掛けすると高得点という畳モードも搭載するなど、掃除機の使い方の学習も可能です。

ボス妖怪を吸い取ると、フルカラーLEDが点灯すると共に、背中のバックパックも村道するなど身体にも刺激を与えます。(大型ファンなどが搭載されているそうです)

審査員を巻き込んで実演!

審査員講評「完成度が高く、GameCenterにおいてあってもおかしくないものだった。」

 


■作品名:Cardiaction/チーム名:うこ
着用者の心電図を読み取ってその人にしか出せない電子音を合成し、衣服表面をタップするなど踊るようにして演奏する「着るシンセサイザー」
http://hacklog.jp/works/49890
楽器以上にアナログな電気楽器。動悸を使って音楽に変換します。波形生成に心拍を使い、波形加工は、ロゴの部分でRGBの値を表示しています。そして音は、鍵盤(圧力センサー)を押すことでだします。

プレゼンタイムではお触りNGで音を出してもらえませんでしたが、touch&tryでは音だしてくれた!

 

審査員講評「触りたいけどさわれない楽器感がすごかった。 安心して触れるフェチ感満載のものが次回は見てみたい。」

 


■作品名:無言の圧力インターフェース/チーム名:無言の圧力
背後からの無言の圧力をビリビリ感じるためのウェアラブルインターフェース
http://hacklog.jp/works/48156
ネガティブな空気を体感するデバイスで、空気をよむ力の拡張がコンセプト。
EmotionAPIで表情の感情を判別し、ネガティブなパラメータだけを取得。 0.8以上で発火します。「感情の触感」を合成し、電通大梶本研の電気触覚装置を利用して首に電気刺激を与えます。

審査員講評「感情のサインを触覚に転換して、、というところがSF的に面白いと感じた」

 


■作品名:2FF: とても速く見られるYoutubeプレーヤー/チーム名:栗原一貴
Youtubeの映像をかなり高速に、それでいて快適に鑑賞するビューア
http://hacklog.jp/works/49709
人生の貴重な時間を映像鑑賞にますます奪われる現代。我々は自衛のために、映像の「本来の美を損ねてでも」淡々と「消費」する権利があるはず。そこで作ったのが、Youtubeの映像をかなり高速に鑑賞するビューアです。人間は言葉が聞き取れないとイライラするので、言葉がききとれるように自動的に早送りを調整。字幕情報を用いて、誰かがしゃべっている時はすこし早く、それ以外は超早く再生しています。意外と快適に鑑賞できます。アルゴリズムは3種類。

これは見ていただくと一目瞭然。「美を損ねる」というところも感じていただけるかも。最初はなかなかセリフがないですが、あとの方でセリフあります。違和感ないです!

 

審査員講評「時間という平等に与えられたリソースを変えてしまうという点で、UX的に素晴らしかった。」

 


最後はエキシビジョン作品の発表です。!部門賞決勝に勝ち残っていた作品ですが、別のルートで先にfinalSTAGEの切符をゲットしたので審査対象にははいりませんが、せっかくなので発表だけ!

■作品名:VISTouch AIR/チーム名:CENOTE
複数人で同時にHMDなしに自由にタブレットでVRの世界を体験
http://hacklog.jp/works/48735

いつもの、下から覗くデモ

 

発表された作品は以上です。

 

■touch&try

プレゼンテーション後は、Touch and Tryでみんなの作品を触ったり質問したり。

 

■審査発表

最後は審査発表。いきなり最優秀賞1つが発表されました。

最優秀賞は、「おばけパズル」!おめでとうございます!トロフィー代わりの「オタマトーン」で受賞メロディを奏でながら、そのまま授与!

 

当日のイベントの雰囲気や盛り上がりは、TwitterのつぶやきまとめとFlickrの写真も是非ご覧ください!

・つぶやきまとめ http://togetter.com/li/1056428
・イベント写真 https://www.flickr.com/photos/100125183@N08/albums/72157673567712843

皆さん、本当にお疲れ様でした!

最後に、会場「LODGE」を貸してくださったYahoo!JAPANの濱野さん、ありがとうございました!

 

蛇足

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今回は「人の心を揺さぶる作品」ということなので、自分自身もその感度を高めて見ていました。理屈とか抜いて感じられる作品。そして、5分間のプレゼンで審査員に伝えた条件(審査員が触ったものは必ず触れてみた)と同じにして、自分の心が動いた作品を考えてみました。

触れてみたときの気持ちよさや興味は人によって違いはあると思いますが、私が触れた作品で一番心が反応した作品は「2FF」でした。理屈抜きで心が「反応」したなー。何にって説明できないけど。

その上で、個人的に「ぐっ」ときたのは、この部分でした。

最初に「おっ!」っと、心を揺さぶる作品は多い気がしますが、この作品の一番素晴らしいところは、使えば使うほど自然になってしまうところな気がしています。
そこを含め個人的に一番すばらしいと思った作品でした。

 

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